遅ればせながらテレビ放映版をDVD借りて全部観た。あまり期待していなかったが非常に面白い!原作単行本も22巻まで読んだ。「劇場版 無限列車編」も観た。本屋に行っても22巻まで出てる単行本が全然揃ってないんだよ。売り切れなんだよ。こんな事態史上初じゃね?
そういうわけでちょっくら感想を書いてみるぞ(この投稿には「鬼滅の刃」についてのネタバレがありますのでご注意下さい。さらに後半部分は単なる個人的妄想ですのでご注意下さい。まあ二次創作の一種だと思って下さいなw)俺だけじゃないと思うけど、新しいアニメ観た途端に「俺が登場人物だったら・・・」とか妄想が始まるだろ?そしてそれを作品に出来る人は絵師として尊敬される。何も出来ない俺はネットに妄想をぶちまけてもいいだろw
ちなみに「劇場版 無限列車編」はテレビ版の続編だが、原作はまだまだ先が長い。半分も終わっていない。いったい何回劇場に足を運ばせるつもりか。エヴァ方式だな。いやエヴァよりひどい。エヴァはテレビ放映で使徒が全部出てきただろ。鬼滅のほうはまだ強敵が(ラスボス含めて)7人残ってるぞw
「鬼滅の刃」とはどういう物語なのかというと・・・簡単に言えば、人喰い鬼を若者たちが倒す。これだけ!
もうちょっと細かく言えば・・・炭焼きで生計を立てる貧しい一家がある晩、鬼に殺されてしまった。長男の「竈門炭治郎」(かまど たんじろう)と長女の「竈門禰󠄀豆子」(かまど ねずこ)を残して。しかも禰󠄀豆子は傷口から鬼の血液が入ったらしく、鬼になってしまった。
こうして炭治郎は鬼を倒すため、妹の禰󠄀豆子を人間に戻す方法を探るため、鬼を退治する「鬼殺隊」に入隊し修行を重ね、(ほとんど眠ったままの)禰󠄀豆子を背負ったまま、我妻善逸(あがつま ぜんいつ)や嘴平伊之助(はしびら いのすけ)の二人の仲間や恐ろしい先輩たち(柱、という称号がある)と共闘する、という話。
(人喰いの化け物と言えば「寄生獣」を思い出すが、まだ原作を最後まで読んでないが地球環境を破壊する人間どもを喰い尽くすために発生した・・・みたいな背景は無さそうだw)
(テレビ版の)主題歌がいいねえ。
鬼というのがとにかく強い。手足を斬り落としてもたちまち再生し、首を斬り落としても胴体に乗せればくっつく。倒すには特殊な鉱石から鍛造される「日輪刀」で首を斬り落とすしかない。
というわけで「鬼殺隊」の面々、大正時代(という設定)なのに堂々と刀を下げて闊歩している(駅員に咎められたこともあるがw)それにしても、鬼と闘う「鬼殺隊」の武器はなんで刀なんだろ。槍のほうが実戦に役立つんじゃね?巨漢の鬼もいるし。首の落としやすさなら薙刀でもいいだろ?やっぱ、刀は武士の魂とかいう、精神性の問題だろうか?まあ刀のほうが絵になるよね?
■ ちなみに「鬼」たちは元々は人間である。貧困や病苦で絶望している者の前に
ちなみに「鬼舞辻無惨」はあるときはイケメン青年実業家、あるときは和服姿の妖艶な美女、あるときは大富豪の御曹司・・・と姿を変えるが、配下の鬼どもに対するパワハラというか粛清が凄まじい。スターリンも北の将軍様も真っ青だ。鬼どもは無惨様のアジトである無限城に呼び出されることを心底恐れているであろうw
※参考:無限城も最終選抜もそっくり!美しすぎる『鬼滅の刃』聖地巡礼スポット - TRiP EDiTOR
余談だが無惨様は貪欲なお方だから、恐らくは女の鬼に対しては肉体も搾取しているかもしれん。少年漫画だからそんなシーンはないけど。さらに余談だがこれだけ登場人物が多いのに飲酒・喫煙のシーンは全く無い。無惨様とか酒も強そうだしタバコ吸ってても違和感ないけど。不死川実弥さんや宇髄天元さんあたりが鬼殺隊本部の裏手で「チッ・・・お館様がタバコ嫌いだから、喫煙所がこんな遠くになっちまったよ」と愚痴りながら吸っていてもよさそうなのに。下品なシーンも全くない。朝、伊之助がガビガビになった手ぬぐいに気付いて、「おい善逸。ゆうべ何発抜きやがったんだ。俺や炭治郎は一発抜いたら寝るのに。オカズは誰だ?カナヲちゃんかよw」などとイジメることもない。健全な漫画ですなあw
ところでこちらの物語のインキュベーターさんには、宇宙のエネルギーを維持するため・・・みたいな壮大な計画はなさそうだ。多分ない絶対ない。無惨様はそんなお方ではない。ただ自分がかわいいだけだw
だけどさ、ちょっと人間を喰いたくなっちゃうとか陽に当たれないとかの特異体質になったせいで問答無用に殺されちゃうのはかわいそうだな。もちろん炭治郎だってこうした事情は知っている。最初から知っている。しかし鬼を前にすれば、憐みつつも確実にとどめを刺す。マミさんだって杏子ちゃんだって魔女は魔法少女のなれの果ての姿だってこと知らなかったのに。考えようによっちゃひでえ漫画だな?
鬼たちの人間だったときのエピソードなど涙なしには語れない。しかし「鬼殺隊」は子供の鬼だろうと女の鬼だろうと容赦しない。情をかけてやる奴がいてもいいのに。
「大の男が小娘をよってたかって、みっともねえぞw」
「何だ貴様!邪魔するのか!そいつは鬼だ!俺たちは鬼殺隊だ!」
「だからどうしたってんだ?」(一瞬で全員をボコる)「安心しろ峰打ちだ」
「お嬢ちゃん、こいつらがノビてるうちにさっさと逃げな。もう二度と人を喰うんじゃねえぞ」
「ありがとう・・・でも、あなたも鬼狩りじゃないの?」
「そうだけど、最近やる気がなくなってんだよ。大先輩の俺に挨拶もできねえクズばっかりだからな。
そりゃそうとお前らの親玉の鬼舞辻無惨だけは絶対に許せねえ。首を頂くからな、伝えといてくれw」
こうして元々は鬼殺隊の「柱」だった彼は、鬼からも鬼殺隊からも命を狙われるようになった・・・ってゆうような、渋い剣士はいねえのかw
■ ところで劇場版の後半部分の、炎柱(えんばしら)・煉獄杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)と、上弦の参・猗窩座(あかざ)のバトルがかっこいい。
猗窩座が「お前も鬼になれ!」と必死にオルグするも煉獄さんは受け入れずに死んじゃった。かっこいいのは煉獄さんのほうのはずだが、なぜか猗窩座に感動してる。
「この道場が最強だとわかってほしくて、無惨と契約して鬼になったんだ。翌朝から道場は入門希望者でごった返してた。ところがある日、師匠にカラクリがバレちまった。弟子の俺を、人の心をもて遊ぶ鬼だだと罵って、酒に溺れて頭がイカれて、最後は一人娘と無理心中さ。弟子の俺を残してね」
「いや俺は鬼にはならん!それからさ、君、その団子はどうやって手に入れた?盗んだのか?殺した人から奪ったのか?言えないのか。だったら俺はその団子は食えん!」
「・・・馬鹿野郎、俺は鬼だ!お前も鬼になるしかないんだ!他に同類なんかいないんだぞーー!!!」
⚠️パロディ/単行本ネタバレあり⚠️
— はい🙋♀️🔥🚂乗車済🚂🔥 (@arinkoclub333) November 17, 2020
【煉獄杏寿郎/猗窩座】
コミックスの好きシーンを描きたかった
反省してます pic.twitter.com/RmJ62z7rcr
鬼殺隊やってるさやかちゃん描いた
— Guyca (@Guyca_Braves) November 29, 2020
(スターシステム的な奴で、あくまで鬼滅の刃世界のどこかに居るさやかちゃん的な人として描いてますわよ) pic.twitter.com/YUZ7cgKoTj
■ 10月28日・東京新聞「こちら特報部」は、鬼滅の刃劇場版大ヒットについての特集だった。アニメジャーナリストの数土直志さんという人によると、「ヒットした要因の一つにストーリーの分かりやすさ」があるという。
「主人公の炭治郎はひたすら純粋で真っすぐ、これに対し敵役の鬼は嫌らしいほど冷酷で残虐」。「敵と味方がはっきり分かれている。その背景に仲間との友情や家族の絆があり、感情移入しやすい。多彩なキャラクターが登場することも魅力になっている」。
たしかに単純なストーリーだよな。・・・お館様が人類鬼化計画を拒否したためゼーレの命令で帝国陸軍が鬼殺隊本部に攻め込み、隊士たちがなすすべもなく殺されていくのにお館様はターミナルドグマで「さあ来るんだ、禰󠄀豆子・・」とかやってたり・・・胡蝶しのぶさんが炭治郎に「私たち人類は第18の鬼だったのよ」とタネ明かししてやっても炭治郎は「いやだ、禰󠄀豆子たすけて」と愚図ったり・・・煉獄さんが傷口に上弦の鬼である猗窩座の血液に浴びたせいで鬼と化し、善逸が号泣しながら「鬼の血を浴びて鬼になるなら、死ぬしかないだろ!お前も!俺も!」と炭治郎や伊之助を殺しにかかったり・・・そのような、視聴者も精神汚染が始まったりソウルジェムが真っ黒になるような展開は全く無いw だからウケるんだろうか。
それにキャラの魅力も大きいだろう。炭治郎は才能があるだけではなく努力家だし勇気がある。絶対勝てそうにない相手にも向かっていく。しかも性格がいい。他の隊士や先輩に殴られても罵倒されてもケロッとして懐いてくる。しかも誰に対しても、鬼に対しても憐みを感じるほど優しい。漫画のキャラといえどこんな性格のいいキャラは稀有ではないか?
極端に臆病(ときどき実力を発揮する)で駄々っ子な善逸、自分の能力を過信し無謀な行動が多い伊之助。3人は互いにフォローし、励まし、厚い友情を築いている。全く羨ましい。この3人が支援者?の自宅?に寝泊まりしたことがあったが、俺も混じって「川の字」になって寝たいくらいだ(笑)
そして何より炭治郎の、鬼になってしまった妹の禰󠄀豆子を常に守り、今は亡き母や弟を想う家族愛が泣かせてくれる。これは他の鬼殺隊関係者や鬼にも共通している。蜘蛛の鬼である「累」の両親への想いや、吉原に潜伏していた「堕姫」と「妓夫太郎」の兄妹愛、それに劇場版の後半で大暴れした「猗窩座」の悲しいエピソードには涙が止まらない。
雑な言い方だがこの作品のメインテーマは愛と友情、家族や仲間との絆、そしてそれを守るための勇気・・・だろう。さらに雑な言い方だが、この作品は全体のストーリーよりも、そのシーンごとに現れてくる愛や勇気を味わうものではないだろうか?劇場版で煉獄さんが死に際に炭治郎らに遺した言葉に、やっぱり泣いちゃったよ。
もちろんこういう世界を表現できたのは原作者の力量であろうが、コロナ禍によって資本主義の脆弱性と矛盾が露わになり、人間の嫌な部分・汚い部分をたっぷり見せつけられ、もう全て信じられなくなった、みんなコロナで死ぬしかないでしょ!あなたも私も!と絶望している我々の心を強く揺さぶったのではないか?
■ しかし、たしかに鬼は「嫌らしいほど冷酷で残虐」であるが、元々は人間だ。炭治郎は鬼を狩るたび心を痛めているようだ。「堕姫」と「妓夫太郎」を倒す際、もしかしたら自分と禰󠄀豆子も彼らのような立場になっていたかも・・・と想いを巡らしている。彼らをそのように仕向けたのはなにか?鬼とは何なのか?いくら鬼を倒しても次の鬼が現れるだけじゃないのか?
それとさ鬼殺隊の給料ってどっから出てんの。本部はかなり大きいお屋敷なのに、どっから資金出てんの。あやしい。総帥の「お館様」こと産屋敷耀哉(うぶやしき かがや)って、実はあれが黒幕じゃねえかと疑ってたんだけど。違ったけど。いい人のまま死んじゃったけど。
それにしてもさ炭治郎たちの選抜試験のとき20人中5人しか残らなかったのに、よく憶えてないけどお館様が「5人も残ったのは優秀だ」みたいなこと言いやがっただろ。15人は鬼に喰われたんだぞ。労災じゃねえか。それに試験に合格しても未熟な隊士は鬼にどんどん殺される。無惨様の体力回復用の食事になる。サイコロステーキのように切り刻まれるw
弱い鬼も同様に、どんどん鬼殺隊に殺される。強い鬼だけ無惨様に優遇され生き残っている。劇場版で炭治郎たちに倒された鬼も死に際にそういう愚痴を吐いていた。それに鬼に喰われるのは大抵、炭治郎の一家のような貧しい庶民だ。なんという階級社会だろうか?(そろそろ原作を完全無視した妄想を始めるのでご注意w)
強い鬼を次々と倒し、「柱」の面々にもその実力を認められるようになった炭治郎だが、次第に違和感が強くなる。連日のように未熟な隊士が十二鬼月の下弦にも届かない末端の鬼に喰われて死んでいく。それに鬼を殺すたびに心が痛む。珠世さんが鬼を人間に戻す研究をしているが、「お館様」は一顧だにしない。もしかして鬼殺隊は、鬼を倒すのではなく組織を維持することが目的なのではないか?それに敵である鬼舞辻無惨らの動向も不可解だ。鬼滅隊本部の位置を把握していないはずがないが(大きな屋敷を構えているからねw)、一向に総攻撃を仕掛ける気配がない。
それに、自分が守るべき対象であるはずの人間たちの心の醜さも耐え難いものがある。「ある集落で恐ろしいウイルスが流行している、感染すれば鬼になる、鬼になった者たちを匿っている」・・・という根も葉もないデマが発生し、近隣の住民らが武器を携えてこの集落に押しかける。国家権力も鬼殺隊も手をこまねいていたが、炭治郎は一人、暴徒の前に立ちふさがる。
「俺が倒した鬼たちは、お前らより人間らしい心があった!」
「お前らは人間の身体のまま、鬼になったんだ!」
「何だお前は鬼を庇うのか?お前も鬼か!」・・・と襲いかかる数百人の暴徒たちを、炭治郎は刀を抜かずに徒手空拳で打ちのめした。そのため国家権力に追われる身となってしまったが、炭治郎はお館様の動向から目を離さない。
あるとき側近を連れずに一人で出かけたお館様を尾行してみたが、お館様が向かった先は無惨様のアジトである「無限城」だった。その一室はお洒落なバーになっていて(笑)、鬼たちの生バンドが演奏し、驚くべきことにお館様と無惨様はセクシーな鬼たちをはべらして飲んだくれていたのである。
お館様こと産屋敷耀哉「なんだ炭治郎君。子どもの来る場所じゃないよ。ヒック」
無惨様こと鬼舞辻無惨「ウィー。花札のような耳飾りを付けた鬼狩り君じゃないか。きょうはどういう風の吹きまわしだい?」
竈門炭治郎「お館様!なんで鬼舞辻無惨と仲良く酒なんか飲んでるんですか!なんで珠世さんがやってる研究を無視するんですか!」
お館様「珠世さんがやっている研究は無意味だ。彼女は人間の血を吸う誘惑に勝てないから人間に戻れないんだ。もっとも獣の肉や血だろうと同じことだが」
炭治郎「えっ」
お館様「鬼を閉じ込めて動物性たんぱく質を極力制限すれば、1年もすれば人間に戻ってしまう」
無惨様「人間を喰わなくてはならない・・・というのは私が鬼にかけた強い暗示だよ」
炭治郎「だって鬼は人間を喰わなきゃ能力を維持できないんだろ?」
無惨様「非科学的なことを言うねえ。動物の肉を食べていれば維持できるんだよ。手足をもがれても再生できるのも、下級の鬼が私の名前を口にしただけで死ぬのも、直射日光に当たれば死ぬのも、私が鬼どもの潜在意識に強く作用させている暗示だ。鬼どもをコントロールする手段だ。白昼堂々、鬼どもが人間を襲ったら、政情不安をもたらすだろう?同様に、鬼殺隊が振り下ろす日輪刀で首を落された場合のみ死ぬのも私がかけている暗示だ」
炭治郎「だったら・・・、お館様、鬼殺隊は無惨に協力してもらってるようなもんじゃないですか!」
無惨様「こちらも協力してもらっている。鬼殺隊の末端の隊員に殺られるような弱い鬼は始末してくれたほうがいい。鬼の人数を調整しなければならないし、鬼狩りに対抗するため鬼たちは強くなろうと努力する」
お館様「それに、鬼殺隊に活躍させてもらわないと、予算を削られるからね」
炭治郎「ヨサン・・・?政府からお金が・・・?」
お館様「政府非公認だというのはうわべだけだ。君たち隊士が刀を下げて歩いていても滅多に咎められることはないだろ。おかしいと思わなかったかねw」
炭治郎「そもそも、鬼殺隊の目的は何なんですか!鬼を全て倒すのが目的じゃないんですか!」
お館様「強い鬼を育てることだ。お国のためになる」
炭治郎「人が鬼に喰われることが、お国のためなんですか!」
お館様「貧しい者やお国の役に立たない者を保護するのにも限界がある。それに、無惨君が言うには鬼の人数は全国で100人に満たない。鬼に喰われるより熊に襲われたり結核で亡くなる確率のほうがよっぽど高い。運が悪かったとあきらめるべきだろうw」
炭治郎「な、なんてことを・・・」
無惨様「まあまあ炭治郎君。鬼の存在がどれだけ世の中で役立っているか振り返ってみたまえ」
炭治郎「人喰いの鬼のどこが役立ってるんだよ!」
お館様「たとえば、迷宮入りした殺人事件を鬼のせいにしてしまえば世間は納得する。警察の威信を保てる」
無惨様「そのほとんどが鬼のせいではないけどね。それに炭治郎君、スペイン風邪の大流行を憶えているだろう。あれも鬼がウイルスをばら撒いたせいだ、と世論を誘導したので、政府は無為無策の責任追及を逃れただろう」
お館様「疫病や天災人災だけでなく、政策の失敗や政治家の不正でさえも鬼のせいにしてしまえば世論は静まる。鬼をスケープゴートにすればいい。政府を批判する活動家がいれば、あいつは鬼だと噂を流せば失脚する。こうして支配が安定する」
炭治郎「そ、そんなの、人を騙してるだけじゃないですか!」
無惨様「ならば君に見せてあげよう。鬼と人類が共に歩んできた歴史を。
ヨーロッパではデビル、ディーモン、あるいはWITCHつまり魔女などと呼ばれているが、要するに東洋で言う鬼だ。
中世ヨーロッパの魔女狩りは知っているだろう。火あぶりにされた者たちのほとんどは普通の人間だ。しかし魔女呼ばわりされた者が処刑されれば、人々は安心した。こうして支配者は架空の敵を作り上げ、人々はその対象へ怒りをぶつけ、支配者への怒りを忘れた。
ちなみにヨーロッパでは、私のように鬼どもを統率する立場の者は、サタン、と呼ばれているらしいねw」
お館様「無惨君は鬼のコントロールに手を焼いているようだが、鬼より人間の方がよっぽどコントロールが簡単さw
それに鬼を使って世論を誘導すれば、戦争を始めるときに便利だ。隣国が我が国の領土を侵犯している、と訴えかけるよりも、隣国が我が国に鬼を侵入させている、などと宣伝すれば効果てきめんだ。
また鬼は戦場で不死身と言えるほどの戦士だ。手足をもがれても機関銃で蜂の巣にされてもすぐ再生して敵に向かっていく。しかも戦場には鬼の餌が山ほど転がっているではないかw」
無惨様「それに・・・これはヨーロッパの博士が研究していることだが、物質を全てエネルギーに変えるという理論がある。この理論で製作された爆弾は驚くべき破壊力があるだろう。
ただし有害な放射線がまき散らされ、汚染が長く続くというが、どうやら鬼どもは放射線にも非常に強いという。しかもこの理論は発電にも利用できるようだ。つまり将来的にますます鬼の需要が高まる」
炭治郎「そんな・・・戦争で人が死んで、汚染が残って、なにがいいんだ!」
お館様「戦争はお金が儲かる。無惨君の会社は笑いが止まらないだろう。私も大株主だからね」
無惨様「耀哉君は『お国のため』が口癖だが、本心は国なんてどうでもいいんだ。儲かればいいだけだよね」
お館様「フフw」
炭治郎「そんな・・・貧しい人や兵隊さんが犠牲になって、それで金儲けできて、そんな世の中おかしいです!」
お館様「お金がなきゃ何もできない。君だって怪我するたびに蝶屋敷で治療を受け、たらふくご飯を食べているだろう。その隊服もボロボロにするたびに新調してもらってるじゃないか。刀を何本折っても新品が届くじゃないか。君に言う資格はない」
炭治郎「・・・」
お館様「そこで、君に頼みがある。隣国でコミンテルンが革命を起こしたが、征伐するための特殊部隊を編成するので君に指揮を任せたい。善逸君と伊之助君も連れていくといい。鬼殺隊だけでなく鬼も動員させる。もちろんコミンテルン側も鬼を使ってくるだろう」
炭治郎「・・分かりました」
お館様「もちろん、コミンテルン側を攻め滅ぼすまではしない。あちらも心得ているだろう。互いに、共産主義は鬼だ!資本主義は鬼だ!と世論を誘導したほうが、支配が安定し、国家予算を軍事費につぎ込めるからねw」
無惨様「耀哉君は以前、我が国でも共産革命が起こったらどうしよう?と本気で心配していたよなw」
お館様「最近気づいたよ。実質的には特権階級が得をするだけだ。資本主義と同じさw」
というわけで炭治郎は新前の隊士と末端の鬼の混成部隊の司令官となったが・・・炭治郎たちのオルグによってこの部隊だけでなくコミンテルン側の兵士や鬼たちとも連帯して反旗を翻す。しかし無惨様が支配する十二鬼月やお館様が指揮する鬼殺隊の「柱」どころか、東西陣営合わせた全ての列強を敵に回した炭治郎たちに勝ち目はないはず、だったが・・・。
と、妄想をダラダラと書いてみたよ。まだまだ終わらないぞ。20数年前からエヴァが、10年前からは「まどマギ」が、今度は鬼滅の刃が頭から離れなくなってしまった。
俺の妄想はともかくさ、二次創作の世界に深く根を下ろしてしまったようだ。俺たちオタクは、「鬼」とは何なのか・・・と、それぞれの答えを探し続けなければならない。重いテーマを投げかけやがったな。
ところで東京新聞が社説で大真面目に猗窩座のことを書いているw
◇ これ以上、鬼を増やすな:東京新聞 TOKYO Web
たしかに「公助」の充実は絶対に必要だが、そもそも、このように人々を追い詰めていく社会のあり方自体が問題だ。そういう俺たちも、自分の心に潜んでいるであろう「鬼」と向き合ってみなけりゃ・・・