7月27日に東京地裁で行われた「損害賠償等 平成18年(ワ)第9972号」(夏淑琴さん名誉毀損訴訟)の第7回(最終)口頭弁論を傍聴していただいた皆様、報告集会に参加していただいた皆様、ありがとうございました。遅くなりましたが当日の模様を簡単に報告します。
今回も事務局メンバーと学生の皆さんで1時間ほど前に集合し、マイクアピールとビラ配布を行いました。今回も西村修平氏ら嫌がらせ目的の右翼グループは現れず、落ち着いて宣伝活動を行うことが出来ました。
傍聴の抽選は、傍聴席40に対し抽選券の発行は26枚という、前回より若干増えましたが寂しい人数でした。
公判では予定通り、原告・被告双方が最終準備書面を提出し、続いて口頭陳述が行われました。原告側(夏さん支援側)は菅野弁護士・井堀弁護士が陳述を行い、被告側(東中野氏弁護側)は中島弁護士が陳述しました。中島弁護士の隣に座っている弁護士が爆睡モード(笑)に入っているので私も睡魔に襲われましたが、なんとか最後まで今までと変わらない彼らの主張を静聴しました。
被告側の準備書面は今回提出の第7準備書面が最終のはずでしたが、なぜか第8準備書面まで提出し、裁判長と原告側を当惑させました。新たな主張があるなら原告側もそれに反論しなければなりません。裁判長がその内容について問いただし、「第8には新しい部分は特にない、もし今までと違う部分があれば無視して下さい」という言質を得ました。今回の口頭陳述のために準備しただけだったそうです。相変わらず裁判を混乱させるのがお得意のようです。
こうして結審し、11月に判決が出ることになりました。前回原告側から判決言い渡し日は大法廷で行って欲しいという要望がありましたが、11月2日は大法廷は予約済みで、裁判長も「今日ほどの人数ならば大法廷を使うこともないかも」と述べました。11月9日は被告側弁護士の都合が悪いということで、結局11月2日(金)午後4時30分、同じ709号法廷で判決言い渡しが行われることになりました。夏さんの来日は現在のところ未定です。
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閉廷後、弁護士会館で報告集会を行い、20名以上の方々が集まってくださいました。まず弁護団がこの裁判の概要と判決に向けての展望を述べました。
原告側は最終準備書面と共に、「東中野氏の記述によって、その主張を信じ込み、夏さんを侮辱する人々も存在する。東中野氏の著書の社会的影響は甚大だ」という主張の根拠のために、次の二枚の写真を提出しました。
https://himadesu.up.seesaa.net/image/nisimura.jpg
http://www.ne.jp/asahi/kuma/radical/images/uyoku.jpg
このうち上の写真は昨年6月30日に私が携帯で撮影したものです。西村氏らの行動は被告側にとっていい迷惑ですが、西村氏らはこの裁判などどうでもよくただ騒ぎたいだけでしょうから、判決への影響など気にしないのではないかと思います。以前彼らの中の一人が、「日本は賠償する必要などない!」と叫んでいたこともありました。これがどのような裁判なのかさえ、理解していないようです(笑)
また被告側第6準備書面はある書籍から、生存者は夏さん一家の娘ではないと解釈できる部分を引用し、東中野氏の翻訳も間違っていないという主張の根拠にしていました。
しかし調査の結果、被告の主張の根拠とはなり得ないことが判明したそうです。被告側はただこの部分を提示しただけですが、原告側がこの部分について翻訳元など思い当たる資料を調べつくすとは思わなかったでしょう。この件についてさる歴史研究家に一から質問した穂積弁護士は、「(東中野氏と違って)本物の学者は次元が違うな」と感じたそうです。
また米倉弁護士から、東中野氏の「研究」の目的について説明がありました。氏はある著書で「日本軍が(南京大虐殺のような)残虐行為などするわけがないことを、証明しなければならないと思った」と述べていたそうです。
つまり氏は研究の結果、南京大虐殺は無かったという結論に至ったわけではなく、最初から南京大虐殺は無いはずだという結論を掲げていたのです。その結論に近づくために苦しい解釈を積み上げ、都合の悪い資料は無視し、南京に於ける日本兵の鬼畜にも劣る犯罪の典型である夏さん一家の被害を否定しようとしたのです。
米倉弁護士は、このような氏の態度は「最初から学問になっていない」と指摘しました。南京大虐殺や従軍慰安婦、三光作戦など日本軍の戦争犯罪を否定する輩の言動は、大方このような動機が元のようです。
11月2日の判決は、このような歴史改竄派の甘い心情が打ち砕かれることになるでしょう。
*ところで報告集会で、このブログを読んでいるという方も参加して下さいました。厚くお礼申し上げます。
・・南京への道・史実を守る会・・・・・・・
URL: http://www.jijitu.com
2007年08月01日
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