2024年07月15日

【ニュース拾い読み】(4) ジェノサイドの続く中、“ガザで地獄を見た”兵士の自死

 この投稿も、ツイッターなどで見た情報の受け売り。個人的な備忘録に過ぎない。気になるニュースからおさらいしてみる。


 2024年3月13日の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の発表によると、イスラエル軍がラファのUNRWAの施設である食料配給センターを攻撃、UNRWAの発表では職員1名が死亡、パレスチナ保健当局は計5人が死亡したと発表。
 なぜ「安全が確保されている」はずの、食料配給所を攻撃するのか。いいかげん俺も目が醒めたよ。病院への爆撃は誤爆かもしれない。投下された援助物資に群がる人々への銃撃は、恐怖心に駆られて思わず発砲してしまったのかもしれない・・・などと、いくらなんでもあんなひどい行為は故意ではないだろ?と思っていたが、甘すぎた。イスラエル軍は意図的に非武装のパレスチナ人民を虐殺している。そう理解せざるを得ない。
【2024年3月14日】ガザの食料配給施設攻撃 国連機関職員ら5人死亡 - 日本経済新聞

【2024年3月14日】国連、ガザ地区の食料配給センターをイスラエルが攻撃と発表 - BBCニュース
 被害調査を行ったUNRWA職員のサミ・アブ・サリム氏は、AFP通信の取材に対し、「ここはUNRWAの施設であり、安全が確保されているはずだ」と述べた。


 俺がインターネットに自分の思うことを書き散らし始めて20年以上経っているが、言い続けていることがある。
 戦前の日本などの侵略国家は、決して占領地の民衆を皆殺しにしよう、根絶やしにしよう…と計画していたわけではなかった。自分たちの都合のいい占領プランに従わせようとしていただけだ。しかし不当な支配と搾取、差別に苦しむ人々は抵抗する。侵略者は武力で抑え込もうとするが、やがて日本がアジア各地で行った三光作戦、アメリカがベトナムで行った枯葉剤作戦のような、全ての民衆の生存を脅かすような行為に手を染める。こうしてナチスドイツが行ったジェノサイドに性質が近づいていく。
 ところがイスラエルは、最初からパレスチナ人排除が建国の前提であり、ガザ大虐殺を続け、ヨルダン川西岸での入植拡大を続けている。パレスチナ人の存在自体を許せないのだ。こういう例はナチスドイツとイスラエルだけだろう。このジェノサイド集団が暴虐を振るっていることを無視できまい。国際社会は、ガザ侵攻を止めないイスラエルに対して、それこそアリ一匹通さないような厳しい経済制裁を科すべきなのだが。


 4月1日、イスラエル軍が食料支援団体「ワールド・セントラル・キッチン」の3台の車両を「1台ずつ組織的に」攻撃。欧米人7人の職員が殺害された。もちろん勝手にガザに入り込めるわけがなく、イスラエル軍との「事前の調整」があった。この虐殺で、及び腰だった各国もイスラエルを非難せざるを得なくなったようだ。遅いよ。
【2024年4月4日】「車を組織的に攻撃」、米NGOがイスラエル非難 ガザ支援中断拡大:朝日新聞デジタル
 イスラエル軍トップのハレビ参謀総長は2日夜のビデオ演説で、空爆の原因について「攻撃は夜間の誤認」と釈明した。これに対して、WCK創設者で有名シェフのホセ・アンドレス氏は3日、ロイター通信に、イスラエル軍は事前の調整にもかかわらずWCKの3台の車を「1台ずつ組織的に攻撃した」と説明。「爆弾をうっかり間違った場所に落としたという不運な状況ではなかった」と非難した。
 


 またイスラエル軍は、昨年激しく攻撃し内部に侵入したシファ病院を、今年3月から再び攻撃を始めた。昨年イスラエル軍が去ったあと、ハマスが接近したのだろうか?それ以前から拠点にしていたのだろうか?ハマスは2週間に渡って交戦し、「底力を見せつけた」というが・・・
【2024年1月3日】ガザの病院、ハマスが一時司令部に利用 米情報機関が分析 | ロイター

【2024年3月19日】イスラエル、ガザ最大のシファ病院を再び攻撃…病院内で「ハマスが部隊を再編成」と主張 : 読売新聞

【2024年4月6日】ハマス、ガザ熟知した「地の利」 国際世論追い風に停戦狙う | 毎日新聞(有料記事なので途中までしか読めない)
 イスラム組織ハマスは軍事力ではイスラエルに劣るものの、ガザを熟知した「地の利」や住民からの支援によりしぶとく戦う。
 ハマスは3月、イスラエルが昨年に「制圧した」と宣言していたガザ北部に出現。ガザ最大の病院「シファ病院」でイスラエル軍と2週間にわたって交戦した。戦闘員らは北部の地下トンネルや病院に潜んでいたとみられる。最終的にイスラエル軍が同病院を再制圧したが、ハマスは底力を見せつけた。

【2024年4月2日】ガザのアル・シファ病院、イスラエルの作戦で廃墟に 多数の遺体発見か - BBCニュース
 しかし、一部のコメンテーターは、2度目となった今回のアル・シファ病院への攻撃は、イスラエルの軍事戦略の欠陥を浮き彫りにするものだとしている。その理由として、ガザ北部からイスラエル軍が引き揚げた後に、ハマスとPIJが容易に再編成できたとしている。
 PIJとは、イスラム聖戦機構のことだと思われる。

 それにしてもね・・・ガザ全土がイスラエルに破壊されているのに、未だにハマス(の軍事部門アルカッサム旅団)は健在のようだが、いったいどこに潜んでいるのか。武器や食料はどこから調達しているのか。エジプトとの国境の下のトンネルかな。市民は飢えているのに。「底力を見せつけ」なくてもいいよ。お前らは頑張らなくていいんだよ。全人類の敵であるシオニスト国家が地球上から消えて欲しいと思っているのはみんな同じだし、侵略者イスラエルをパレスチナから追い出そうとするのが悪いのか?ってと言われたら言葉に詰まるけど、ここはひとます、人質を全員解放して停戦をまとめて欲しい。

 そしてイスラエル軍が去ったあとのガザ各地の病院で、地面に埋められた無数の遺体が発見された。女性や子ども、老人、患者と見られる遺体、衣服を脱がされたまま、手足を拘束されたままの遺体も発見された。民間人虐殺を隠蔽するために埋めたのか?昨年シファ病院などで患者や医療従事者が下着一枚の姿で拘束されたが、その後彼らは虐殺されたのだろうか。 【2024年4月23日】ガザ集団墓地に310遺体 当局「処刑」、イスラエル軍「人質確認」 [イスラエル・パレスチナ問題]:朝日新聞デジタル
 パレスチナ自治区ガザの当局は、イスラエル軍が撤退したガザ南部ハンユニスの病院で集団墓地が見つかったと発表した。ロイター通信などによると、23日までに発見された遺体は計310人に上るという。イスラム諸国はイスラエル軍の戦争犯罪の疑いがあると非難。国連も調査の必要性を訴えている。
 イスラエル軍が今月上旬にハンユニスから撤退したことを受け、当局がこの数日間、捜索したところ、地中深くに埋められ、廃棄物がかぶせられた遺体が見つかった。女性や高齢者、負傷者の遺体もあったという。
 ロイターによると、当局は病院にはこの集団墓地とは別に少なくともあと二つの墓地があるとしており、遺体の数は数百人単位で増える可能性がある。当局は「イスラエル軍が意図的に隠したもので、手を拘束され、衣服をはぎ取られた遺体もあった。冷血に処刑された」と主張している。
 一方、米CNNが住民の証言などに基づいて報じたところによると、発見された遺体の多くは、周辺で激しい戦闘があった1月、親族や医療従事者らによって一時的な措置として病院に埋められた。その後、イスラエル軍が遺体を掘り起こして人質がいないか確認し、再度埋めなおしたとみられるという。
 「人質がいないか確認」するのは、相当な労力のかかる作業だよな。それに、最初に埋めたのは別としても、殺したのはイスラエル軍じゃねえか!

 4月1日、イスラエル軍がシリアのイラン大使館を空爆、イラン軍の将官7人が殺害された。これに対してイランは14日、イスラエルの空軍基地などへ報告攻撃を実施。それなりの規模だったようだがほどんどイスラエルの防空システムで迎撃されたようだ。そして19日にイスラエルはイランに報復の報復?を実施したが、どうやらイラン政府は、このイスラエルの攻撃は大したことは無かった、と印象付けたいようで、報復の報復の報復?はしないつもりらしい。実際に行われなかった。こうして第三次世界大戦は回避された?
【2024年4月2日】シリアのイラン大使館領事部に空爆、死者多数 イスラエルを非難 - BBCニュース

【2024年4月22日】イスラエル、イランが初めての直接交戦:中東情勢緊迫化エスカレーションのリスク|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

【2024年4月19日】イスラエルとイランの戦争、陰の世界から表舞台に=BBC国際編集長 - BBCニュース

【2024年4月19日】イスラエルがイランを攻撃か、中部イスファハンなどで爆発 - BBCニュース

【2024年4月20日】イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回避か | ロイター

 どうせ仕返しすんだったらイスラエル全土が火の海になるほどやっちまえばいいのに、と心の片隅で願っていたのは俺も含めて全世界で70億人くらい存在するのではないか?でもそんなことになったら、イスラエル在住だがユダヤ教徒ではない人々も、ヨーロッパ系ではないユダヤ教徒も、ごく少数だが政府と軍を批判している人々も被害を蒙るからね。
 それにしてもね、イランとしてはイスラエルから攻撃されたんだから報復しなければ世論が沸騰するだろう。これはイスラエルもハマスも同じじゃねえの。ハマスは、長年厳しい生活を強いられているガザ市民からの批判をかわすため10.7攻撃を実行した(のかもしれない)。イスラエル政府は、激昂した世論に応じるようにガザ虐殺を開始した。特にネタニヤフは政権から滑り落ちると汚職で有罪になるかもしれねえからな。いつの時代も、政権の維持のために戦争が始められて、犠牲になるのは貧しい庶民と末端の兵士だ。


 5月26日、イスラエル軍がラファの難民キャンプを空爆、避難民45人が虐殺された。
【2024年5月28日】イスラエル軍のラファ空爆で45人死亡 国際社会から非難強まる | NHK | イスラエル・パレスチナ

【2024年5月28日】ラファ難民キャンプ空爆は「虐殺」、国際社会から非難相次ぐ - CNN.co.jp  20年前にハマスの幹部だった者(しかも捕虜交換で釈放されている)を殺害するだけの目的でここまでやるか?

【2024年5月28日】ラファ空爆で多数死傷したのは「悲劇的な誤り」 ネタニヤフ首相が釈明 - BBCニュース
 何が「悲劇的」だ!シオニスト国家が存在することこそ、悲劇的、いや人類にとって壊滅的な災厄だ!

 6月8日、イスラエル軍はガザ中部ヌセイラットにて、人質奪還と称して274人の市民を虐殺!こういう恐ろしいニュースに慣れてしまっている自分が怖い。
【2024年6月9日】イスラエルの人質救出でガザ市民ら274人死亡 病院は「血の海」 | 毎日新聞


 6月9日なのかその前後なのか定かではないが、イスラエル軍工兵部隊の予備役兵士エリラン・ミズラヒ(Eliran Mizrahi)は、ブルドーザーに乗りパレスチナ人の家屋を破壊する様子を自撮りしてネットに公開していた。4月に負傷のため帰国した際、PTSDと診断されていた。家族に「ガザで地獄を見た」と語っていたという。
 ところが6月7日に、ラファでの任務を命じる召集令状が届いた。42歳の(いわば働き盛りの)彼が、妻と4人の子どもを残して自ら命を絶ったのは、その直後のことだろうか。この男も憎むべきシオニストのはずなのだが、この件は読んでいて辛い。

 数年前このブログに書いたが、本来、人間は殺人を好まない。戦場で大部分の兵士は発砲を躊躇う。だから現代の軍隊はあの手この手で、敵兵を見たら反射的に攻撃するように訓練する。しかし除隊後も戦場の記憶に苦しむ兵士が多い。現在、彼のようにふざけた自撮り写真や動画をネットに投稿している多くのイスラエル兵も、除隊後は苦しみ続けるかもしれない。

 兵士が心に負った深い傷は本人以外にはわからない。この自殺した兵士は戦闘要員ではないようだが、パレスチナの人々を虐殺している軍事行動に加担していることが耐えられなかったのだろうか。以前も言ったが、侵略軍の兵士であっても戦争被害者なのだ。だから国際社会は、イスラエルにも、ハマスにも、即時停戦を強く呼びかけるしかない。
 (続く)

【2024年6月12日】再召集のイスラエル兵(PTSD)自殺:増加続ける負傷兵の問題 2024.6.12 – オリーブ山通信


posted by 鷹嘴 at 15:10| Comment(0) | TrackBack(0) | パレスチナ情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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