2024年08月12日

加須市にてレンタサイクルで田中正造ゆかりの地を訪れました

 前の投稿の続き。おさらいすると、2024年3月15日に埼玉県羽生市の「クイック羽生」というゴーカート場でバイクの体験走行をして、その夜は同居人と合流して羽生市のビジホに泊まり、そして翌日、同居人は鉄道で、俺はバイクで加須市に向かい、「加須市観光協会 観光案内所」で自転車借りた。(無料、電動アシストなし)そして田中正造ゆかりの地を目指してみた。この時期、加須市の「北川辺文化・学習センター みのり」にて、「加須の偉人 田中正造展」という展示会が行われていたんでね。ちょっと遠かったなあ。

【2024年3月15日】田中正造の生きざま伝える 加須で没後110年展、24日まで 直筆書簡と墨跡など 子どもや未来へのメッセージ:東京新聞 TOKYO Web

 疲れたけど、晴れててあんまり寒くなくて助かった。利根川を越える「埼玉大橋」が狭くてヤバかった。「田中正造展」を見たあと、田中正造が分骨されている「北川辺霊場」に行ってみた。以下の記述は、この二か所の展示内容より。

 埼玉県と群馬県の県境は利根川だが、加須市の一部分は利根川の左岸にある。ここは1955年に利島村と川辺村が合併し北川辺村となり、1971年に北川辺町となり、そして2010年に加須市に合併された。地図で見れば分かるがここは渡良瀬遊水地のすぐ手前にあるんだよ。
 明治時代に増産が進んだ足尾銅山の鉱毒によって、渡良瀬川流域の稲の立ち枯れが発生し、1900年には「押出し」に決起した農民が弾圧され(川俣事件)、1901年に田中正造は明治天皇に直訴を行った。政府は鉱毒沈殿用の渡良瀬遊水地を計画し、田中正造が移り住み運動の拠点となっていた谷中村は1906年に廃村となった。
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 ここまでは俺も知っているが、すぐ近くの利島村と川辺村も遊水地にしようという計画があった。

 1902年の台風で利根川の堤防が決壊し両村が水浸しになったが、埼玉県は堤防を修復しなかった。田中正造は両村に出向いて遊水地化計画があることを知らせ、土地を売却しないように説いて回った。そして両村の農民を中心に田中正造の指導を仰ぎつつ遊水地化計画に反対する「相愛会」が結成された。 1902年の10月16日、村民約1500人が遊水地計画に反対する決起大会を行い、
 「国が堤防を築かずば、我等村民の手によって築かん」
 「従って、その代わり国に対して断然納税・兵役の義務を負わず」

 と決議した。追い詰められた埼玉県は堤防復旧を表明した。
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 こうして利島村と川辺村の村民たちは遊水地化計画を粉砕し、郷土を守った。ああいう時代に納税・徴兵拒否宣言とは、よほどの覚悟だったのだろう。見習いたい。闘えば勝てる!

 以下の3枚は「北川辺霊場」にて。
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 しかし1903年に谷中村を遊水地とする計画が浮上。村民の抵抗も空しく強制廃村となり、谷中村周辺は渡良瀬遊水地にされてしまった。
・・・なんだか、新東京国際空港の建設地決定の経緯を連想しちゃうね。元は千葉県冨里村を建設候補地としていたが、村民の激しい反対運動によって頓挫し、成田市三里塚に決定したんだよ。
 ところでウィキペディアを見て知ったが1972年の谷中湖造成工事の際には谷中村の墓地・神社・役場跡を守るためかつての村民の子孫が決起し、ブルドーザーの前に立ちふさがり工事を阻止し、結局的にかつての谷中村中心部を避けるようなハート形の湖となったという。これも一つの勝利だ。

 以下の3枚は以前にこのブログに貼ったが、2020年に渡良瀬遊水地の中の谷中村跡地を訪れたときの写真。
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 よく見たら「関係者が話し合い、役場、雷電神社、延命院(の跡地)を残すことで貯水池工事が始まった」と書いてあるけど、もうちょっと説明がほしいな。

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 延命院共同墓地。谷中村の痕跡を水没させようとは絶対に許せないことだ。永遠に残さなければならない。

 鉱毒被害と闘った多くの村民とその子孫、田中正造ら支援者の志を受け継ぎ、非和解に闘いたい。なにもしなきゃやられるままだが、闘えば勝てる!ダムも原発も基地も阻止できる!

 そんで昼飯は、偶然立ち寄った「山盛」ってゆう蕎麦屋で食った。美味かったぞ。有名な店らしい。水車が目印。
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 そして観光案内所に戻ってきて自転車を返却し、同居人は鉄道で、俺はバイクで帰った。なかなか有意義な一泊旅行だったと思う。田中正造の分骨地は、そのうち、全て訪れてみるつもり。
posted by 鷹嘴 at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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