2007年08月17日

戦争を引き起こそうとする一部の軍人

(問答有用より転載)8月14日朝日新聞特集記事「『戦わない国』はB ――『板挟み』自衛隊に同情」より引用します。

今年2月兵庫県の陸上自衛隊伊丹駐屯地で日米共同演習が行われ、米陸軍中尉でアフガニスタンに派遣された経験もある飯柴智亮氏も参加しました。交流会では自衛官らが飯柴氏に不満をこぼしたそうです。
「米軍はいいですね」
「一度、戦場を体験してみたい」
「北朝鮮からミサイルが来ても、反撃するのは米軍で、我々は後方支援だけだろうな」

また、米軍の海兵隊員で2度イラクに派遣されたことのある越前谷儀人義仁氏は、ミリタリー用品即売会で、サマワに派遣されたことがあるという、私服姿の20代の自衛官から声をかけられました。彼は越前谷氏にサマワでの不満を語ったそうです。
「宿営地に不審なイラク人が近づいてきて、危ないかもしれないと感じても、なかなか銃が使えなかった」

このように自衛官の一部には戦闘を望んでいるかのような気分があるようです。一方、参議院選挙に当選した「ヒゲの隊長」佐藤正久氏は、先日次のように発言したそうです。
「駆けつけ警護」認めるべきで一致 (魚拓)

 集団的自衛権に関する政府の有識者会合はPKO=国連平和維持活動を行う自衛隊に対して、憲法上できないとしてきた「駆けつけ警護」を認めるべきだ、という意見で一致しました。

 PKO活動の際の武器使用は、正当防衛や緊急避難などの場合に限られていますが、10日の会議では国連の集団安全保障の問題としてとらえるべきだとする意見で一致しました。

 その上で、正当防衛を超えるとして憲法違反とされるいわゆる「駆けつけ警護」は認めるべきだとする意見が相次ぎました。これは、味方である他国の軍隊が攻撃された場合、駆けつけて応戦するものです。

 こうした事例について、イラクに派遣された陸上自衛隊の指揮官だった佐藤正久氏は、当時現場では、事実上の「駆けつけ警護」を行う考えだったことをJNNの取材に対して明かしました。

 「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います」(元イラク先遣隊長 佐藤正久・参院議員)

 佐藤氏は、もしオランダ軍が攻撃を受ければ、「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」という状況を作り出すことで、憲法に違反しない形で警護するつもりだったといいます。

 「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから。目の前で苦しんでいる仲間がいる。普通に考えて手をさしのべるべきだという時は(警護に)行ったと思うんですけどね。その代わり、日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと」(元イラク先遣隊長 佐藤正久・参院議員)

 懇談会は11月までに集団的自衛権の行使を容認する提言をとりまとめると見られます。しかし、公明党が反対している上、参院選の惨敗で安倍総理の求心力が低下しており、報告書は棚上げせざるを得ないという見方が強まっています。(10日22:50)

つまり佐藤氏は、旧日本軍のように策略を用いて自衛隊をイラク戦争に参加させようとしたわけです。
もちろん戦闘に憧れているような自衛官や、佐藤氏のように策略を練っていた人物は、自衛隊の中ではごく一部だと思います。旧日本軍でもほとんどの兵士は戦争を嫌っていたことでしょう。
しかしこういうごく一部の軍人によって侵略戦争の発端が作られた歴史を持つわが国は、自衛官の一部にこういった気分が存在していることを強く警戒しなければなりません。
また、今年6月には自衛隊が国民の行動を監視していたことが明らかになっています。何を仕出かすか知れたものではないこの組織のあり方について考えなければならないでしょう。自衛隊の海外派遣などもってのほかです。佐藤氏には議員辞職をお勧めします。


*この佐藤氏の発言について、多くの有名ブログが取り上げています。

アッテンボローの雑記帳 元自衛官・佐藤正久参議院議員は即刻辞職せよ!!

アッテンボローの雑記帳 佐藤発言を報道するようマスコミに圧力をかけよう!!


▼CLick for Anti War ■[アクション][メール]軍人も議員も失格!自作自演ヤラセで日本を「わざと」戦争に巻き込もうとした男

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊) 国民を騙すつもりだった〜佐藤正久は議員として不適切、直ちに辞任せよ!

低気温のエクスタシーbyはなゆー 【重要】イラクで陸上自衛隊が独断で戦闘を開始する決断をしていた!


*余談ですが、上で紹介した朝日新聞の記事の中で、もと米陸軍大尉であり米国防総省外国語学校で米兵に日本語を教えている加藤喬氏は、イラク戦争を「主権国家に土足で踏み込んだ。正義感、常識から受け入れられない」と批判しています。
佐藤氏はこのような視点は全く欠落しているようです。
posted by 鷹嘴 at 13:02| Comment(2) | TrackBack(8) | 日本軍(1950〜) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>しかしこういうごく一部の軍人によって侵略戦争の発端が作られた歴史を持つわが国は、

そんな歴史はどこにもありませんよ。
日本が侵略戦争をしたことは一度もありません。

だいたい、イラク戦争は終結しています。頭は大丈夫?
Posted by ほるほる at 2007年08月26日 21:25
> 日本が侵略戦争をしたことは一度もありません。

日本が侵略戦争以外の戦争をしたことは、そうですねえ、元寇ぐらいですか?

> だいたい、イラク戦争は終結しています。頭は大丈夫?

新聞やテレビを見れば連日イラク人が死んでいるのが分かるはずです。イラク戦争は終わっていません。頭は大丈夫?
Posted by 鷹嘴 at 2007年08月31日 17:49
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

官邸の暑い夏 
Excerpt: {%exquesmark%}{%quesmark%} @ 何と読む?
Weblog: 酔語酔吟 夢がたり
Tracked: 2007-08-17 18:18

イラク派兵で暴走しだした「軍の論理」と、「滅びの美学」を追求する「美しい国」内閣?
Excerpt: 2007.8.11.09:30ころ 「日本人でよかった」丸川珠代の「バカキャッチ
Weblog: 多文化・多民族・多国籍社会で「人として」
Tracked: 2007-08-17 19:35

きょうと通信 NO、34
Excerpt: 京都郵政職場交流集会(準)発行●07年08月18日 NO、34 JPU支部大会雑
Weblog: アッテンボローの雑記帳
Tracked: 2007-08-18 23:04

参院は佐藤正久の議員辞職勧告を決議せよ! 〜法律に違反し憲法を蔑ろにする参議院議員・佐藤正久〜
Excerpt: 「駆け付け警護は違憲」 ひげの隊長に公開質問状(中日新聞)というニュースが流れていましたが、至極当然のことです。この「ひげの隊長」は自分のしようとしたことの重大性に気が付い..
Weblog: ザ・のじじズム
Tracked: 2007-08-19 14:52

159278 改憲論者で集団的自衛権推進論者の前原氏をメディアが頻繁に取り上げる意図は?
Excerpt: 159278 改憲論者で集団的自衛権推進論者の前原氏をメディアが頻繁に取り上げる意図は?   猛獣王S ( 30代 営業 ) 07/08/19 PM04 『説得力欠く前原「国益」発言』(JA..
Weblog: サラリーマン活力再生
Tracked: 2007-08-19 18:56

159347 警察官僚に牛耳られる内閣〜アメリカの圧力により日本もいよいよ警察国家になる?
Excerpt: 159347 警察官僚に牛耳られる内閣〜アメリカの圧力により、日本もいよいよ警察国家になる?   猛獣王S ( 30代 東京 営業 ) 07/08/20 PM01 『防衛次官 もうひとつの..
Weblog: サラリーマン活力再生
Tracked: 2007-08-20 22:01

「駆け付けて」「巻き込まれる」自衛隊マニュアル
Excerpt:  ヒゲ隊長こと佐藤正久氏の発言について,非常に重要な事柄が,昨晩に報道されました。  これは,報道の前提となった自衛隊内部資料「武器使用権限の要点」(情報公開されたもの...
Weblog: 津久井進の弁護士ノート
Tracked: 2007-08-25 13:39

佐藤氏の問題発言で見えて来るもの
Excerpt: このような政府の無節操な拡大解釈による海外派兵によって自衛官の安全や業務に支障を来しているのが現状である。これによって自衛官の間に政治への不信が高まるのも理解出来る。だが、だからと言って現場指揮官が法..
Weblog: とりあえずガスパーチョ
Tracked: 2007-08-25 17:55