栃木県大田原市の教育委員会が「扶桑社」教科書の採択を決定した際、「Sankei Web 地方版」は次のように報じた。(重複しますが、最初から説明しますね)
2005.07.13
扶桑社教科書 大田原市で選定
大田原市内の中学校で来年度から、扶桑社の歴史と公民の教科書が使用されることが十二日、全国で初めて決まった。本県では四年前に下都賀採択地区で扶桑社の教科書採択が撤回されたいわゆる「下都賀事件」があったが、今回は大田原市単独での採択のため、十三日の市教育委員会で覆る可能性はない。「教科書を良くする栃木県民の会」の関係者らは、「今後、この流れが県内に広がってくれれば」とその“波及効果”に期待を寄せた。
「これ以上うれしいことはない」。新しい歴史教科書をつくる会のメンバーが執筆した教科書の採択を求め、県議会や市町村議会などへ請願や要望を続けてきた「県民の会」の松本公男事務局長(八五)は喜びもひとしおの様子。採択は「あくまで教育委員会の専権事項」とした上で、「この流れが県全体に広がることを期待したい」と話した。つくる会の竹内節県支部長(六八)は「微妙な時期にあり、あまり話せない」としながらも、「喜ばしいこと。これから選定を行う他の採択地区への波及効果が見込める」。また、扶桑社の教科書について、関係者の一人は「日本人としての誇りを持たせる教育をするのにふさわしい教科書」と評価した。
一方、福田富一知事は「教科書(採択)はあくまで協議会の中で議論して決めること」と述べるにとどまった。
■大田原市役所 相次ぐ激励、嫌がらせも
大田原市役所にはこの日朝から、激励や嫌がらせの電話、電子メールが相次いだ。中には脅迫するような悪質なものもあったが、市関係者は「量的には激励の方がはるかに多く、安心した」と話している。
市関係者によると、電話、メールは全国から寄せられた。「確固たる信念に基づいて採択してほしい」「日本の将来のために圧力に屈しないでほしい」「教育正常化の先駆けとなることを強く祈る」など順調な決定を求める声も多かった。
一方、男の声で、「(扶桑社の教科書採択を)やめないと、市内の子供を次々に殺す」との脅迫電話もあった。このほか、「採択したら市内には引っ越さない」などのメールや、インターネット上で同市への抗議を呼びかける動きもあるという。
この記事によると、抗議より「激励の方がはるかに多く」、一方「子供を殺す」という脅迫もあったという。
しかし「Mainiti-INTARACTIVE」ではこの件について、次のように報じている。
「つくる会」教科書:栃木県大田原市が採択へ
栃木県大田原市の市立中学全7校で来春から使う歴史教科書について、同市教科書採択協議会は12日、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した扶桑社発行の教科書を選定し、同市教育委員会へ答申した。市教委は13日に正式に採択を決める。
つくる会によると、同社の歴史教科書は、都立と愛媛県の養護学校など10校と私立9校の計19校で使われている。今回、同市で採択されれば、市町村では初めての採択となる。
同市には12日午後5時現在、ホームページを通じて千保一夫市長などに激励183件、抗議103件のメールが寄せられた。また、連合栃木や県教組などの団体が採択に反対する申し入れ書を提出した。【柴田光二、関東晋慈】
毎日新聞 2005年7月13日 3時00分 (最終更新時間 7月14日 20時21分)
教科書問題:大田原市「つくる会」採択 「抗議」「激励」反応分かれる /栃木
大田原市教委は13日、全国の市町村で初めて扶桑社発行の歴史教科書を採択したが、小沼隆教育長は会見で、委員会を非公開とした理由や教科書を採択した経緯について述べた。市に対して全国から多く反応があり、教育委員会が開催された会場では、反対派団体が抗議した。【関東晋慈】
◇小沼教育長「誇り持てる子供育つ」 委員、全会一致−−会場に反対団体ら
委員会は午前9時に始まった。委員の1人から非公開の提案があり、傍聴人10人に退席を要望した。1時間を超す会議では欠席者1人を除き、4人の委員が全会一致で賛成した。
同市採択協議会は5月16日を第1回とし、7月12日に2回目の会議を開いて選定を終えた。教師で構成する調査員は4人、協議会の委員は7人で全会一致で賛成したとするが、いずれも非公開で実施された。
委員会後、小沼教育委員長は、委員会を非公開にした理由について「委員から、静ひつな会場で十分審議してほしいとの要望があった」と説明。協議会からの答申書の公開についても約2週間後とした。
また採択の理由について▽人物などのコラムでさまざまな分野で活躍した人物が取り上げられている▽挿絵やイラストが豊富で具体的に理解させようとする努力がみられるなどを挙げ、「この教科書で日本の歴史に誇りを持てる子供たちが育つものと確信している」と話した。
委員会が開かれた同市内の会場には、開催前から採択に反対する団体や住民約40人が集まった。委員会閉会後、会場を離れる小沼委員長が乗った車を団体の会員らが取り囲み、採択理由の説明を求めて30分近く職員らと口論になった。
同市には13日午後5時現在で、ファクスやメールなどが抗議779件、激励556件、さらに電話が123件あった。
千葉県内の団体代表を務める男性(68)は「ふたを開けたらこうなっていた。市民に関心を持ってもらうように活動を続けていくしかない。反対派の市民には、活動を続けてほしい」と話した。
毎日新聞 2005年7月14日
毎日の7月13日の報道に於いても「激励183件、抗議103件のメール」ということなので、「激励の方がはるかに多く・・」という表現も当たらずしも遠からず・・・と言えるかもしれない。なにせ激励の方が80件も多いのだから(笑)
(翌日は逆転しているが、これについて産経が報じているかどうかは未確認。ちなみに赤旗によると「十四日午後五時の集計で賛否両論で約三千九百件があり、このうち採択に反対する抗議が二千四百件、賛成が千五百件」とのこと)
しかし脅迫電話については、毎日の報道では全く触れていない。
これらの疑問を解決するために産経新聞宇都宮支局に電話して訊ねてみたところ、「大田原市の職員から取材したことであり、確かなこと。毎日の記事なんて関係ない!」と言い張っていた。(うっかりしていたのだが脅迫電話については聞き忘れた!)
続いて大田原市教育委員会学務課に問い合わせてみた。
まず、「同市には13日午後5時現在で、ファクスやメールなどが抗議779件、激励556件、さらに電話が123件あった」という毎日の報道について真偽のほどを確認したところ、「そのとおりだ」という回答を得た。
続いて産経の「激励の方がはるかに多く・・」「『子供を次々に殺す』との脅迫電話もあった」という報道について見解を求めたところ、「当方は関知しない」とのこと。脅迫電話についてはしつこく訊ねてみたのだが、「知らんもんは知らん」という答え意外は帰ってこなかった。ありがとうございます!
結局、激励の方が多かったと確実に言えるのは12日の段階のメールの数のみであり、脅迫電話があったという話は扶桑社「教科書」採択に反対する活動を貶めるための作り話だったようである。
(もっとも現在でもメールの数だけなら激励の方が多いかもしれない。何しろメールを送る方がFAXより簡単であり、▼CLick for Anti War様の記事で知ったのだが2chハングル板で激励メールの送信を呼びかけている。田代まさしを「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に投票したような悪ふざけの類といえるw)
・・・そもそも、「新しい歴史・公民教科書」の販売元である扶桑社はフジ・サンケイグループの傘下であり、また非常にアホらしいことに「新しい教科書をつくる会」は大田原市に激励のメッセージを送ることを呼びかけている。営業戦略上(?)、激励の方が多いと強調したくなる気持ちは痛いほど分かる(笑)
しかし脅迫電話があったという虚偽のニュースを流したことは絶対に許されることではない。大田原市の児童と父兄に恐怖を与えることになると思わなかったのだろうか?産経新聞社は「天下の公器」たる資格はないと思うが、どうよ?(もっとも、つくる会の「教科書」などを販売している恥知らずな極右集団だからこそ、このような挙に及ぶのも無理はないと考えれば合点がいくがw)
2005年07月20日
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左巻きはヘタレの前に基地外でした
Excerpt: 昨日の時点では左巻き軍団の組織力を通じて大量の嫌がらせ抗議メールやファックスを送ったってことだったけど(コチラ参照)、蓋をあけてみたら激励の言葉の方が多かったみたいだよ。左巻き勢力なんて全然大したこと..
Weblog: REDLOVER
Tracked: 2005-07-20 14:31
焚書と脅迫
Excerpt: 上の写真は船橋市立西図書館でつ。 独断廃棄は著者の利益侵害 最高裁「図書館は意見伝える場」(産経新聞)っちゅうことでね。4年ほど前の「焚書」事件の結末です。もともと産経新聞のスクープで発覚した事件で..
Weblog: 市川電蔵事務所
Tracked: 2005-07-20 16:17



> 委員の1人から非公開の提案があり、傍聴人10人に退席を要望した。1時間を超す会議では欠席者1人を除き、4人の委員が全会一致で賛成した。
> 同市採択協議会は5月16日を第1回とし、7月12日に2回目の会議を開いて選定を終えた。教師で構成する調査員は4人、協議会の委員は7人で全会一致で賛成したとするが、いずれも非公開で実施された。
何で非公開にしたんですかね?よっぽどやましい気持ちでもあったんでしょうか?
第一、全会一致で賛成した「とする」なんていうのがいかにも怪しいですね。
なんですか、「とする」って。
もしかしたらロクに議論や資料批判もせず、傍聴人全員出て行った次の瞬間にもう可決して、あとは「うざい自虐史観野郎ども」についてとりとめもない話で時間を稼いでいたりして(笑)
この件について「教科書情報センター」に分析があります。
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しかし、ここで立ち止まって、少し考えておくことがあります。それは、今回の大田原の採択が、きわめて計画的に仕組まれたとみられることです。その理由の一つが、採択の翌14日、読売新聞の朝刊に、「『新しい歴史教科書』を4年前に引き続き採択します」という意見広告が、「つくる会」教科書を現在使用している私学8校のうち7校までの連名で掲載されたことです。大田原での採択の翌日にこんな意見広告を出すなど、事前の根回しなくしてはとうてい不可能だからです。しかも、読売新聞といえば、今回の大田原採択の第一報を載せた新聞です。
また、今回の採択は、
@「つくる会」教科書に反対する1人の教育委員が外遊中に強引に行われた
A採択に直接かかわった教育委員と採択協議会に、ブレや動揺がみられない
B今回の採択は、各地の教育委員会で採択が行われる出発の時期にあたる
などの状況のもとで行われたことを加味する必要があります。
4年前に同じ栃木の下都賀地区で、いったん「つくる会」教科書の採択が決まったあと、ひっくり返されたため、各地の教育委員会がつづけて採択する流れを壊されてしまったと「教訓」化してきた「つくる会」は、逆方向へと向かう流れを今回は作り出そうと、周到に準備し、都賀のように動揺する危険性がなく、採択区を編成し直して安定して採択が可能となっていた大田原を先頭とし、全国の「つくる会」勢力を奮起させるために、読売新聞を使って仕組んだものと推測します。
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http://www.h2.dion.ne.jp/~kyokasho/
結局、出来レースというか、全て仕組まれていたことのようです。