このブログでも書いたが、この資料館は年表にある「南京大虐殺」という字句と、揚子江の川岸に多くの虐殺死体が打ち寄せられている有名な写真(タラリさんのサイトより)を白い紙で隠している(後ろ手に縛られている様子から、戦死者ではなく虐殺死体であることが確認できる)。これらは現職の県知事である上田清司の指示ではないかと思われる。
これが報じられたのは昨年7月であり、各方面から厳しい抗議が行われているが、資料館側は一向に元に戻そうとしない。
それどころか、今年7月23日に行われた「2007年度第1回運営協議会」では、さらに展示内容を悪化させるような提案が行われたらしい。以下は「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」のMLより抜粋して引用。
【1】「従軍慰安婦」から「従軍」を削除し、「慰安婦」とする上田の「従軍という言葉は英霊に失礼」という発想に通じるものがある。「日本軍が慰安婦を連れ回したのではなく、業者が勝手に営業していた」と印象付けたいのだろう。日本軍には責任のないことにしたいのだろう。
見直しの内容:
「昭和史年表」にある1991年(平成3年)「従軍慰安婦問題など日本の戦争責任論多発」から「従軍」を削除し、「慰安婦」とする。
見直しの理由:
(1)政府の文書(平成5年「内閣官房長官談話」、「アジア平和国民基金」HPなど)では、主として初出で「いわゆる『従軍慰安婦』」、その後は「慰安婦」を使っている。
(2)アジア太平洋戦争中には「従軍慰安婦」の呼称はなかった。
(3)どちらの呼称も、強制性があったかなかったかについての特定の見解と結びついていない。(和田春樹氏の見解)
そもそもその当時に存在していなかった言葉を使うことなど当たり前ではないか?戦時中、日本側は「太平洋戦争」という言葉は使っていなかったではないか?
【2】「日本軍南京占領(南京大虐殺)」を「南京事件・南京虐殺」とする
見直しの内容:
「昭和史年表」の1937年(昭和12年)の欄に「日本軍南京占領(南京大虐殺)」とあったが、本年3月以来、「南京大虐殺」の文字が白紙で覆われている。この覆いをはずすが、「日本軍」を削除し、「占領」を「事件」に変え、「大虐殺」から「大」を削除する。
また、「埼玉県民と戦場」コーナーのなかの2ヵ所で「南京大虐殺」が使われているが、これも「南京事件・南京虐殺」とする。
見直しの理由:
(1)外務省は「(日本政府は)日本軍の南京入城後、多くの非戦闘員の殺害や略奪があったことは否定できない」、「しかし、被害者の具体的な人数については諸説があり、どれが正しいか認定は困難」としている。この政府見解を尊重する。
つまり日本軍が南京で犯した虐殺行為を否定したいから「南京大虐殺」という字句を消したいのだろう。「日本軍を削除」するなど言語道断である。どこの軍が南京大虐殺を行ったか分からなくなるではないか(笑)
【3】「南京占領(南京大虐殺)」の項に付された写真を削除する路上で臓物がはみ出して死んでいる猫を見て、「急に飛び出したのでしょうか。車に轢かれたのでしょうか」と誰かが呟いたとする。その発言に対して「推測に過ぎない。車に轢かれたと断定したわけではない」と言うような馬鹿馬鹿しさである。
見直しの内容:
「昭和史年表」にある「南京占領から10日ほどの揚子江川岸写真」(多数の死体が写されている)を削除する。
見直しの理由:
(1)撮影者の村瀬守保氏は、この写真について、本文で「揚子江岸で大虐殺が行われたという、その現場でしょうか」、キャプションで「虐殺した後、河岸に運んだのでしょうか、河岸に連行してから虐殺したのでしょうか」と推測を述べている。
(2)事件(の存在)を積極的に肯定し証明しようとする研究者も、「写真資料は厳密に史料批判を行い慎重に扱うべき」としている。(井上久士「歴史学における写真史料―南京事件の場合―」・『歴史評論』2000年10月号)。
(3)公立公営の資料館として、この写真を日本軍による「大虐殺」の証拠資料とすることには慎重になる必要があり、適切でないと考える。
「写真資料は厳密に史料批判を行い慎重に扱うべき」というのはごもっともだが、井上久士教授がこの写真についても疑問を示したのであろうか?一つご教示願いたいものである。
【4】「三光作戦」を「中国側から『三光政策』として非難され」に変え、「日本軍の非人道的な行為」などを削除する「三光作戦」でも「三光政策」でも構わないと思う。「三光」は元々中国語であり、「日本軍の行動が、中国側から『三光政策』として非難された」ことも事実である。あえてこのような表現に変える意図は「三光とは中国側が主張していること」と印象付けるためだろう。
見直しの内容:
常設展の「埼玉県民と戦場」の解説文のなかに、「中国や東南アジアでは、南京大虐殺、三光作戦、シンガポールの華僑虐殺など日本軍の非人道的な行為があり、今日でもその責任が問われています」とある。このうち「三光作戦」を「日本軍の行動が、中国側から『三光政策』として非難された」とする。また、「非人道的な行為」以下を削除する。
見直しの理由:
(1)「光」は中国語で「〜し尽くす」の意味で、「三光」は「焼き尽くす」「殺し尽す」「奪い尽す」の意。日本軍が抗日ゲリラの根拠地とみなした地域でとった掃討手法を、中国側が「三光政策」と非難したことから、戦後、日本で「三光作戦」として使われるようになった。オリジナルな用語は「三光政策」である。
(2)「日本軍の行動が、中国側から『三光政策』として非難された」という意味の表現が正確と考えられる。
歴史に詳しくない来館者のために、「日本軍は三光政策を行って中国民衆を虐殺し、村々を焼き払い物資を略奪し、強制移住させた」と記述されるべきではないだろうか?
「『非人道的な行為』以下を削除」など言語道断である。虐殺行為は「非人道的」ではないというのか?日本の責任を問う声は消滅したというのか?
【5】常設展に「戦後の国際平和貢献」コーナーを追加する日本政府と自衛隊は国際平和に貢献していると宣伝したいようである。将来的に、アメリカの侵略戦争に協力するためのイラクへの自衛隊派遣まで「国際平和貢献」として紹介される可能性が生じる。そもそもあの狭い資料館から戦争被害や加害の記録をさらに削って新しいコーナーを設けようとするのか?
見直しの内容:
常設展に「戦後の国際平和貢献」のコーナーを設け、開発途上国への経済援助、国際機関を通した教育・保健衛生などへの援助・紛争地域へのPKO(国際平和協力法)による援助、自然災害に対する緊急援助など、また埼玉県や埼玉ゆかりの人々の国際平和貢献を紹介する。
現時点でさえも館内には戦時中の日の丸の寄せ書きや「武運長久」の旗などが展示され、これがはたして平和資料館なのかと疑わせるようなコーナーがある。戦後の自衛隊の海外派遣まで紹介するコーナーまで新設されれば、この資料館の「遊就館」化が一層進むだろう。つまりこの資料館がかつての侵略戦争を賛美し、新たな戦争へ国民を誘い込むような施設へと変貌してしまうかもしれないのである。
このような展示内容の改悪は許せない。埼玉県民として、国民として強く抗議しなくてはならない。資料館は速やかに「南京大虐殺」の字句と写真を隠している紙を剥がすべきである。そして日本の加害事実の展示を充実させ、平和を願う施設に生まれ変わらなければならない。
*ちなみに協議会では上のような提案に対して反対する意見も出たという。
◆地域・埼玉県平和資料館・南京大虐殺「隠蔽」のなか、運営協議会開催
歴史の歪曲は許せないと思う人はクリックしてね。
*こちらだと同じウインドウで移動します。
従軍慰安婦の件は慰安婦を否定しているのでは無く、軍が誘拐略取して韓国女性を無理やり性奴隷にしたという事実は無いとして「従軍」を消したのではないかと思います。慰安婦は日本人の方が多く慰安婦と結婚した兵士も居ると聞きます
遊蹴館化って何ですか?史実に基づき展示品を見直しているだけでしょう?
今の日本で戦時中の事を史実を紐解き検証しなおしても、それがすぐ軍事国家に向かうというのは極端でしょう。
憲法改正だって国民投票法案があるのだから、民意を反映できるでしょう。
軍事国家として突き進んでいるのはむしろ中国です。軍事費の急激な伸びや、確信犯とも思える日本への領海侵犯、チベット、トルキスタンへの民族浄化と証する虐殺、法輪功信者への弾圧
ゲリラ組織への武器輸出、EU諸国が五輪ボイコットの理由にあげる石油利権に絡むダルフール弾圧
などなど
もし台湾が今度の選挙の折り、独立派が勝利して独立宣言したら北京五輪を返上して軍事攻撃するとの見方もあります。
いい加減自虐史感から抜け出してください。
貴方はいったいどういう根拠があって、南京大虐殺の写真が捏造だとか、慰安婦について軍が略奪して性奴隷にした事実がないとかいうのでしょうか?
貴方の言う史実とはなんでしょうか?日本にとって都合のいい言論のことですか?日本にとって都合の悪いことはすべて史実に反するのですか?
なお、確かに現在の中国共産党政権下の中国は悪いと思います。管理人鷹嘴さんも何度もおっしゃっている通り、私も残虐な共産党政権を中国人民が打倒することを期待してます。
しかしながら今の中国が悪いといっても過去の侵略の事実が消えるわけではありません。それだけはご承知置きくださいませ。
そうそう、いいわすれましたが、自虐史感(ママ)から抜け出してくださいとか言ってましたが、日本の後ろ暗い面に背を向け日本が常に正しいとみなす自賛史観、自慰史観よりははるかにましであるとあえて言わせていただきます。
といいますか「史感」とか書いちゃって、所詮あなたにとって歴史なんてフィーリングで気に入るか気に入らないかで正否が判断されるもので、気に入るものは史実気に入らないものはウソと考えていそうですね(笑)。
そのあと、必ず賛同者が現れる
でも、
最近では、反論されちゃうんだよなあ
> しかしながら今の中国が悪いといっても過去の侵略の事実が消えるわけではありません。
それが理解できない連中が多くて困りますよね。相殺できるわけでないのに。
自虐史観でも何でもないでしょう。
事実です。
安部総理は
pal判事の息子に会ったついでに、判事が書いた判決文も読んでくればよかったんだ。
若い人は戦争の怖さを知らないでしょう。
政治家や財閥やその師弟は前線には行かない。
いつも死ぬのは彼ら以外の庶民なのだということを
忘れてしまっているのではないでしょうか。
先の戦争で死んだ人たちは今のような世界を望んで死んでいったわけではないでしょう。
私たちに同じ過ちは犯してほしくないはずです。
そんな事実はないですよ。 貴方はどう言う根拠から、あったと言うのですか?
少しは歴史にまなんで下さい。 アマリ馬鹿だと、みっともないですよ。
それは、お前のことですw
それは自分に言うべきだねw 一つ言っとくけど「歴史に学ぶ」というのは、小林よしのりのウソ八百マンガとか、つくる会等の現実逃避事実歪曲本を鵜呑みにすることじゃないよ?
「みけ」「とらねこ」のおかしさについて指摘
南京大虐殺の写真を全て他の戦地の引用だとか捏造だとか言って「それらを検証する本も出ている」と全て否定しているけど、この浅はかさにつついて。
「他の戦時写真を引用」要するにそれは南京大虐殺を認めたくない現実逃避者が「南京だと特定できない」のを「他の戦時写真を引用」と言ってコジツケてるだけなんだよ?「南京だ」と特定できないだけ(結局虐殺行為そのものは否定できないし)で「南京じゃない」とも言えないのに「他からのもの」としてるだけなんだよね。
捏造云々にしてもそう。無理やり強引な解釈や歪曲によって写真を「捏造」としているだけなんだよ?例を挙げるとキリがないけど、将校がちゃんとした階級証をちゃんとした付け方をしているのにもかかわらず、「こんなつけ方はしない、捏造されたものだ」としたり 「写真の日の光が明るすぎる、どう見ても夏の写真だ」からと「南京事件は冬だからこれは南京事件時のものでない」としたり(当時の白黒写真で季節を判断するのは写真の専門家でも不可能)デタラメもいいとこ。ハッキリ言ってしまえば「捏造だ」と言ってる奴等の論理こそ「捏造」以外のなにものでもない。
>軍が誘拐略取して韓国女性を無理やり性奴隷にしたという事実は無いとして「従軍」を消したのではないかと思います。
「事実はない」んじゃなくて、そういう「事実」を認めたくないから「従軍」を消したんだよ!慰安所の設立が軍の命令によって行われたという資料は数多くあるし、また軍自身が慰安所を作ったという証言や資料もある。ちなみに中曽根康弘が「戦時中苦心して慰安所を作った」という証言をしているし、元日本兵が「各地を回って女集めをやらされた」という証言もしている。元軍医なども「(朝鮮人女性は)騙されて連れてこられた女性が多い」と証言している(騙しによる連行も立派に略取)。
「従軍」であったことは疑いもないありません。ていうか「従軍」でなければ前線に慰安所なんかとても作れないんですけどね?そんなことも分からないんでしょうか?
それとなにこれ?
>慰安婦は日本人の方が多く慰安婦と結婚した兵士も居ると聞きます。
そりゃ実際に慰安所を利用した方の証言によると日本人慰安婦が一番人気だったそうですから多いかもしれませんけど でもそれが何なの?日本人の方が多いからといって「従軍」でないことにはなりませんし、「強制」が無かったことにはなりませんよ?
「慰安婦と結婚した兵士も居る」
だから何?だからどうしたの?兵士と結婚したからどうだというの?結婚できたからといって「従軍」じゃないことにはなりませんし、「強制」でないことにはなりませんし「性奴隷」じゃないことにはなりませんよ?
江戸時代まで遊郭から遊女を見受けすることは珍しくありませんし、歴史的に見れば奴隷が主人と結婚するのも珍しくありませんよ?結婚できたんだから強制じゃないというのは思考能力ゼロの人間の言うこと。少しは脳みそ使って下さい。
「自賛史観」「自慰史観」
間違いではありませんし、その通りなんですけども、この手の連中にふさわしいのは
「引きこもり史観」
でないでしょうか?
はっきり言って、こいつ等の史観は引きこもりの姿そのもの。
嫌な現実から目をそむけ、自分にとって都合の悪い情報には耳を塞ぎ、自分にとって都合のいい情報しか認めない。自分の世界に引きこもり、「現実」という外の世界に出ようともしなけらば見ようともしない甘ったれの引きこもり。
「そのままじゃ駄目なんだ」と気がつかないとこも同じでしょ?
ありがとうございます。
いったいみけさんやとらねこさんに対しどういう反論をしようか、あるいはどのサイトを紹介してあげようかと悩んでおりました。
が、言いたいことノン・フライ様がほぼすべて代弁してくださり、まことに感謝感激です。
・・・その本がいかにウソまみれかなんて
とっくに論破されてるよwww
http://d.hatena.ne.jp/claw/20070717#p3
東中野はとっくに明らかになった虐殺の証拠を
必死で隠している。だいたい
軍事のシロウトの倫理学のセンセイが
片手間に書いた本が信用できるかよwww
【南京での虐殺に関する政府の記録リンク】
▼政府・外務省は虐殺の存在を認定している。
http://www2.mofa.go.jp/mofaj/search/query.html?qt=%93%EC%8B%9E%8E%96%8C%8F&x=0&y=0
▼文部省も最高裁も虐殺の存在を認めている。
http://d.hatena.ne.jp/dokusha/20041003
▼大日本帝国政府は南京での虐殺の報告を受け、しかも記録していた。
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060804
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060701
▼パール判事は日本による南京での虐殺を批判していた。
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/Pal.html
※ついでにいうと彼は大日本帝国の戦争を「欧米の帝国主義国と同じ」と批判していた。
日本国憲法を高く評価し、戦後の日本の再軍備にも反対であった。
▼「虐殺の証拠写真は捏造」と主張した奴が事実を捏造しまくっていた
http://d.hatena.ne.jp/claw/20070717#p3
▼(おまけ)従軍慰安婦問題に関する政府の記録リンク
http://jseagull.blog69.fc2.com/blog-entry-459.html
▼(おまけ)「歴史研究においては事実の全貌をつかむためには
公文書だけに頼ることはできない。
聞き取りも重要な史資料である」http://d.hatena.ne.jp/claw/20070703