中学校教科書の採択へ 県内で来春から使用される中学校教科書の採択が迫っている。いま、出版されるすべての教科書が、各中学校を「巡回(じゅん・かい)」している段階である。 かつて、「学校票」というものがあった。教科・学年ごとに、どの教科書会社のものを使用したいのか、各中学校が1票ずつを投じていた。もちろん、各教科の教職員が集まり、相談した結果であった。その「学校票」がいつからか廃止されてしまった。 つまり、実際に教科書を使って授業をする現場の教職員の声はまったく反映されないのである。先に述べた「巡回」はなんのためにあるのだろうか、くびをひねりたくなる。 前回の採択では制度も変わり、それまで広島市一円であった採択地域が、「中区・西区・佐伯区」「安佐北区・安佐南区」「東区・南区・安芸区」の3ブロックになってしまった。このため、市内の中学校教員が集まった研究会の場でも、使用している教科書がばらばらという状況が生じている。 実際に現場に立つ教職員には教科書を選ぶ権利さえなく、いつの間にか教科書は選定されて送られてくる。さらに互いに授業の改善工夫を試みる現場の実情とはあわない採択地域の設定がある。 子供たちと間近で接している私たちは、ただ上から渡される教科書でなんとか授業を進めていかなければならない。もう少し、現場の教職員の声を聞いてほしいものである。 (教員・男・42歳) (7/12) |
実際に教科書を使って授業を行う教師が、教科書採択に関わるべきなのは当然だろう。