2005年08月13日

杉並区が扶桑社歴史教科書を採択!

(以下は問答有用より転載)ご存知のように8/12の杉並区の教育委員会にて、来年度から中学校の歴史用教科書として使用される教科書に扶桑社「新しい歴史教科書」が採択されました(公民は大阪書籍)。
今後「親の会」「みんなの会」にて、扶桑社「教科書」採択を撤回させるための呼びかけが行われると思われますので、微力ながら協力したいと思います。


***以下、当日の模様***
朝8時過ぎ頃杉並区役所に到着し、たった20人分の傍聴席の抽選のための行列に並びました。驚いたことに列の前方に「フソウシャ、サンセイ!」と合唱を続ける連中が集合していました。小耳に挟んだことですが約300人ほど泊まりこんでいたそうです。また歩道にも扶桑社「教科書」を支持するノボリを立てた連中が陣取っていました。7/27や8/4では見られなかった光景です。
8/4以降「つくる会」は、教育委員に対する脅迫を行ったり、また同様のビラを阿佐ヶ谷駅前で配るなど汚い工作を行なっていましたが、この日はかなり大枚をはたいて動員を行ったようです。

5階で整理券を受け取り「第3・4委員室」(及び6階)に番号通り着席し、その後抽選に漏れた900余名はその場所で音声だけ聴くことになりました。市役所の職員が5名の教育委員が一人ずつ発言するたびに、発言者が分かるように「**委員」と書かれたフダを掲げていました。お疲れ様です!

しかし、扶桑社寄りの意見を持つ委員の発言は全く唾棄すべきものでした。(以降、自分の汚い字のメモと記憶を頼りに審議の状況を思い起こしてみます)

大藏委員は、8/4の安本委員の「扶桑社の教科書は戦争に向う教科書」という当然の発言を批判しつつ、以下のように述べていました。
「扶桑社の教科書が最も文部省の指導要領に近いから(望ましい)」(ではなぜ、全国の教科書採択もあと半月を残すところなのにほとんど選ばれていないのでしょうか?)、
「秀吉の朝鮮出兵を侵略と表現した教科書もあるが、『侵略』という観念は近代以降のものである」(事実上侵略に他なりませんが?)
「大東亜戦争というのはその当時あった言葉だから、あの戦争を肯定するとかしないとか、そういうことは関係ない」
「大東亜戦争という言葉がダメだというのは“言葉狩り”である。たとえば“目の不自由な人”という曖昧な表現では、弱視なのか全盲なのかはっきりしない・・・」
(このとき近くの席の人が「じゃあメクラって言えってことかよ?」と的確な突っ込みを入れました。8/4の審議でも「現在、大東亜戦争をアジア・太平洋戦争と呼ぶ事はめくらを盲人といって差別隠しをするのと同じ」と述べた教育委員がいたそうですが、これも大藏委員だったと思われ)
しかしこの時の発言では「東京書籍も、大阪書籍もいい」と、態度を濁していました。

宮坂委員は、
「明治憲法と今の憲法にそんなに差はない」
明治憲法には『天皇は神聖にして侵すべからず』とあるが、これは天皇の無答責条項を示すもので、今の憲法での象徴天皇制と通じるものがある」

という怪説を披露し、私たちを精神的に疲労させました(笑)
さらには
「扶桑社の教科書が最も平和志向が強い」
「歴史は物語であるから・・・」
「現在、南京臨時政府の汪兆銘のことを記述している教科書は残念ながら皆無だが・・・」

などと一人でトリップしていました(笑)扶桑社の「教科書」を支持する輩というのは、所詮はこういうネットウヨ並みの人間なのでしょう。
また、別の発言の中では「中東の方でシーア派とスンニ派が争っているけど、日本人は部外者だから理由は分からない」などと述べておりました。現在イラクで悲惨な自爆攻撃が続いているのはアメリカがイラクを侵略しているからであることも知らず、また日本も決して部外者ではないことも知らないようです(笑)
しかし、このような認識の委員が出席した中での教科書採択は無効であると考えます。

納冨教育長が「扶桑社教科書は中世史が他社と比べて6ページも少ない」と述べたところ、大藏委員は「古代史や神話は他より3ページ多いから・・・」と説明しました。要するに扶桑社の“歴史”教科書は天皇の権威が衰えていた時代よりも、「神話」という作り話を重視して記述する代物だと認めたことになります。

安本委員は「教科書は立場が異なっても理解できるものを」と真っ当なことを述べましたが、異なる立場が存在することを否定し理解を拒むことがその根本である扶桑社「教科書」を支持する者には、受け入れられないことだったでしょう。

丸田委員長は、
「扶桑社の教科書は文字数が多い、登場人物数が多すぎるという、現場の教師の意見も取り入れるべき」
と当然なことを述べていましたが、残念ながらこの採択ではそれら教師の意見は黙殺されたようです。

また納冨教育長の、
「帝国書院や大阪書籍は恒久の平和を願う“理念型”であり、扶桑社は『現在でも一部に共産主義が残り・・・』という記述に見られるように“戦争なんかなくなりっこない”という考え」
という何が言いたいのかはっきりしない発言は、結局は扶桑社の記述を支持するものだったようです。
宮坂委員の「戦争はケンカ」という発言に対して「それほど軽いものではない」と批判しながらも(宮坂委員はこれについて謝罪)、結局各社の教科書を自分が推す順番として「1.扶桑社 2.大阪書籍 3.帝国書院」と明言しました。8/4では「どれでもいい」などと述べていたのですが、その後に相当の根回しを受けていたことでしょう。

これによって扶桑社支持は宮坂委員、大藏委員、納冨教育長の三名、扶桑社不支持は丸田委員長、安本委員の二名になり、丸田委員は扶桑社の教科書を採択せざるを得ないことを決断したようです。
ただし丸田委員長はこれを宣言する直前に、以下のように述べていました。この苦渋の決断を迫られた委員長のせめてもの抵抗だったと思われます。
「教科書採択方法の改善が求められている。各地域に任せるのも一案」
「教科書を用いないで副教材で授業を進めている事例も海外にある」
(この発言は大藏委員が抗議していました)
要するに何名かの教育委員の協議だけで、その市町村や「協同採択地区」に属する市町村全ての教科書が決定されてしまうことに疑問を呈し、また扶桑社の教科書など用いなくとも歴史の学習は行えることを示唆したようです。
同様のことは4年前から扶桑社の教科書を用いている中学校の教師も述べていました。重要なのはどの出版社の歴史教科書を用いるかではなく、教師がどのように歴史を教えるかにあると言えます。このことを扶桑社「教科書」に賛成する側も反対する側も忘れていたようです・・・。

教科書問題:賛否割れた末、幕 「扶桑社版」教科書採択−−杉並区教委 /東京

 ◇教育長の発言でケリ
 杉並区教育委員会は12日、継続審議となっていた歴史教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した扶桑社版を選んだ。反対派の抗議を恐れて、教育委員会室に通じる廊下を区職員らが固める物々しさの中で、今後4年間使われる中学生の教科書が決められた。【渡辺暖、益子香里】
 教育委員会は午前10時過ぎに始まり、歴史から話し合いに入った。宮坂公夫(幼稚園経営者)、大蔵雄之助(元東洋大教授)両委員が扶桑社版を支持し、丸田頼一委員長(千葉大名誉教授)と安本ゆみ委員(元区立小PTA連合協議会会長)は否定的な意見をそれぞれ述べた。支持する理由としては「学習指導要領に最も忠実」「日本の歴史上の人物を多く紹介している」などが挙がり、否定的な意見では「他社版は子供の目線だが、扶桑社版は教え込もうとしている」などの声が出た。
 納冨善朗教育長は前回と同様に「議論を聞きながら判断したい」と賛否を明らかにしなかったが、話し合いが続いても他の4委員の意見がまとまらないため、進行役の丸田委員長が最善と考える教科書を明らかにするよう促した。教育長は「あえて言うなら」と前置きしたうえで、扶桑社版を1番に挙げた。
 これを聞いた丸田委員長は「私の心の内も、ご理解願いたい」と一言述べ、扶桑社版を選ぶことを宣言。「内容を補完するガイドライン、教師用の指導書概要を提示し、教師の便宜を図るべきだ」と注文を付けた。
 ◇大きな責任感じる−−丸田頼一委員長
 中学生のために1種を選択することに、大きな責任を感じる。教科書の採択システムは今後、教委から各地域運営学校の学校運営協議会等に委ねることも考えられる。
 ◇法律に基づき決定−−山田宏区長
 教育委員会が法律に基づいて、その責任の下に粛々と検討され、決定された結果と受け止めています。
 ◇採択巡る事態残念−−納冨善朗教育長
 今後は(採択された)教科書を用いて子供たちの可能性を伸ばすことが重要。委員個人に対する非難や中傷がみられたが、教科書採択を巡り、こうした事態が生じたことは非常に残念。
 ◇反対派、職員に詰め寄る
 区役所に傍聴に訪れた人は1000人を超えた。委員会室の一般傍聴席は20席のため、抽選に漏れた700人以上が音声が流れる別室で耳を傾けた。扶桑社版に決まると、歓迎の拍手の一方、反対する人たちは「まさか」とぼうぜんとなり、数人が「納得出来ない」と区教委職員に詰め寄った。
 反対運動をしてきた「杉並の教育を考えるみんなの会」の東本久子さん(58)は「区民の思いを欺く行為。現場の声、子供のことなど教育的な配慮よりも政治的な思惑を優先している」と批判。小学6年男児の父親は「近代史で日本が反省すべき部分が触れられておらず、子供が戦争のことをきちんと学べるか不安」と話した。区庁舎周辺では反対派グループ数百人が批判を繰り広げたが、扶桑社版を支持する横断幕を手にしたグループの姿もあった。
 ◇賛成・反対派、感想や声明文
 新しい歴史教科書をつくる会副会長の藤岡信勝・拓殖大教授は取材に対し「23区で最初の採択であり、画期的だ。これで扶桑社版は市民権を得たと思う。見識ある教育委員たちがすべての教科書を比較してよく読んでくれた結果で、教育委員会制度が正常に機能したといえる。中身の濃い、素晴らしい議論だった」と話した。
 一方、「『つくる会』教科書採択を阻止する東京ネットワーク」は、「全国から寄せられた採択しないようにとの要請を無視して、採択を強行した。(採択された教科書に)民衆の視点はなく、国家と天皇を中心とした歴史だ。杉並の子供と日本の将来に重大な問題を引き起こす」などとする抗議声明を出した。
 在日本大韓民国民団東京地方本部の李時香団長は「採択はアジアの民衆との心の決別を選択したということ」などとして、区に採択撤回を求める声明文を発表した。

8月13日朝刊
(毎日新聞) - 8月13日16時31分更新
posted by 鷹嘴 at 00:53| Comment(9) | TrackBack(0) | 教科書問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お疲れ様です。

扶桑社&「捏造(つく)る会」の教科書が採択されたからと言って、話は終わりではありません。
あの冗長でわかりにくくて「歴史が嫌いになりそう」な教科書で学ばされる子供を救うためには、
今後もさまざまなアクションが必要です。

わたしはすでにこういうスレッドを2ちゃんで作ってました。
http://academy3.2ch.net/test/read.cgi/history/1094145404/
内容はまた整理して、あちこちばらまくつもりです。
新スレはこちらです。

http://academy3.2ch.net/test/read.cgi/history/1123877426/
Posted by 九郎政宗 at 2005年08月13日 05:21
いやあ、本当に採択されて良かった。
本当は公民も採択してたら良かったんですけどね^^

採択反対してる連中の気持ち悪いこと、この上なかったですね。
ああいうのファシズムっていうんですか?
自分の気に入らない言論は封殺してしまえという。
彼らは反対するんじゃなく他の教科書を支持するべき
だったんですね。
特定言論反対じゃあ言論弾圧ですから

彼らがファシズムとかいってるのは鏡に向かって
いってるようなものですからね(プ
とにもかくにも採択されてバンバンザイデスヨ!
Posted by LOL at 2005年08月13日 11:56
=======================
反対派は、やり方のミス多すぎ。

まず演説などが命令口調ですね。
いまどきアジ演説は古すぎ(w
また、第三者(中立の立場)に対して、共感して
「いただく」という発想がなさ過ぎ。

つまり力づくで押しつけるということしか
出来ないのは、反感もたれるだけ。


Posted by もなー at 2005年08月13日 14:11
ネット関係の仕事をしていますが、2ちゃんねるは
ある意味で敵になりかねない存在と認識しています。

親の会も、従来の「作る会」とは違った意味での
敵?であり、さらには統制がとれていない集団(ゲリラ?)は、想定外ですね。。。。
糠に釘を打つようなものです。

「つくる会」の教科書には内容に問題があるが、
「親の会」の運動にも反感を持つ、という人も少なからずいるので、後者をいかに減らし、その上で
作る会の教科書を、思想以外の面でどう攻める?か
という発想がなさ過ぎです。

Posted by もなー at 2005年08月13日 14:20
↑上の人がいいこと言った!
「ファナティシズム」(=はねあがり)をどうするかというのは、古くて新しい課題だなあ。

しかし、実質問題として、教科書採択は街頭で決まってるんじゃないからねえ。公開されてない場所で、公開されてない圧力を通じて決まってるわけで。大多数の市民にとっちゃ、それはまだ他人ごとなんです。

だから私の考えは、「親を巻き込め」ってこと。
「この教科書で、子供が戦争をしたくなる」なんつっても「はあ?」だけど、
「この教科書では、子供が受験に不利になる」といえば、やはり親は気になるでしょ?


・・・ところで、今回、採択延期になったこの期間、教育委員に執拗な圧力がかかったはずで、そのへんのことは今の委員の任期がおわってから教えてもらえると思います。
Posted by 九郎政宗 at 2005年08月13日 14:50
中核派のせーでロクすっぽ活動できなかった革マル派と日本共産党への気遣いで一週間延期された杉並区の教科書採択でしたが、2ちゃんねるやチャンネル桜の引きこもりネットウヨにもたまに表に出る良い機会となったようです。
皆さんの集団自慰行動により、杉並区にはさながら春の銀杏並木のような匂いが立ちこめていることでしょう。ムンムン。
Posted by 右利きなので左寄り at 2005年08月13日 16:53
九郎政宗さんこんばんは。
日本史板は、同じ2chのマスコミ板やハングル板みたいなアホばっかりの板とはガラリと雰囲気の違う板ですよね。展開を注目しています。

ところで数日前、都内の玉川学園中というところで扶桑社「教科書」が採択されたそうですが、ここも中高一貫だそうですね。そのまま高等部に上がるつもりなら受験勉強は不要ですよね?

そして、高等部に上がってからは大学受験のために、中学校の歴史教科書に書いてあったことなどすっかり忘れて勉強することでしょう(笑)
Posted by ノンポリ at 2005年08月13日 22:35
>2chのマスコミ板やハングル板みたいな
>アホばっかりの板
選民思想(w
アホだったら逆に洗脳しやすいのでは(w
Posted by もなー at 2005年08月14日 20:54
中国人民の反日活動が当局によって中止させられていますが、抗議しないのでしょうか?
抗議できなければヘタレ(w

中国、混乱見られず、反日活動に当局側圧力
http://www.asahi.com/international/update/0815/011.html
Posted by ななし at 2005年08月16日 01:39
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