埼玉県全域、神奈川県全域、
宮崎県の県立中学校(及び7つの採択地区のうち3つ)、
愛媛県今治市と上島町で、
扶桑社以外の教科書が採択された模様。
ちなみにみんなの会の集計による東京都の採択状況はこちら。
また、朝日の調査によると扶桑社「教科書」の採択率は1%前後とのこと。10%が目標だったのに、ご愁傷様です。扶桑社が教科書出版事業から撤退するのに500テラワロス(w
2005年8月12日(金)
「つくる会」教科書 県内全地区選ばず
24日に県教委採択
来年度から使用する公立中学校の教科書をめぐり、第九採択地区協議会(行田、羽生市など八市町村)が「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社の歴史・公民教科書を選定しなかったことが十一日までに分かった。 これで県内の全地区が扶桑社の教科書を選定しなかったことになる。 県内には十の採択地区協議会があり、先月末から教科書の選定を進めていた。各市町村教委はその選定結果を持ち帰り、教科書を採択する。 その際、地区協議会と市町村教委の選定が異なる場合、県教委に報告が義務づけられている。県教育局義務教育指導課によると、十一日現在、報告は入っていない。 県内の教科書採択で残っているのは、県教育委員会が二十四日、県立伊奈学園中、盲・ろう・養護学校の教科書採択を行う。「つくる会」元副会長の高橋史朗・明星大教授が県教育委員であることから、注目されている。 だが高橋氏は検定前の公民教科書の編著作者名簿に名前が載っていたことから、歴史・公民教科書の採択審議は退席する。 |
県立中の採択教科書発表
県教委は12日、五ケ瀬中等教育学校や特殊教育学校など県立の中学校課程で来年度使う教科書の採択結果を発表した。「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した扶桑社発行の教科書は選ばれなかった。 五ケ瀬中等教育学校前期課程では、歴史的分野で帝国書院、公民的分野で日本文教出版の教科書に決めた。養護学校や盲ろう学校は両分野で東京書籍の教科書を採択した。 各市町村立の学校で使う教科書は県内七つの採択地区協議会での選定を受け、各市町村教委が今月中に決める。朝日新聞社の取材に対して採択教科書を明らかにしているのは宮崎地区(宮崎市郡、東諸県郡)、北諸県地区(都城市、北諸県郡)、東臼杵地区(延岡市、日向市、東臼杵郡)の各協議会で、歴史、公民分野では東京書籍版をいずれも選んだという。 (8/13) |
つくる会教科書 市教委が不採択
横浜市教育委員会は12日、来年度から市立中学校146校と、盲・ろう・養護学校の一部で使う教科書を採択した。「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した歴史、公民教科書(いずれも扶桑社)は採択されなかった。県内は44の採択地区に分かれており、同日までに鎌倉市や三浦市など4市町をのぞく40地区が採択を終えた。40地区は扶桑社版教科書を採択していない。 横浜市は18区ごとに、どの教科書を採択するかを審議して市教委に答申、市教委が最終的に採択する。区の答申に、扶桑社版は含まれていなかった。 教育委員の一人は「扶桑社版が一番ふさわしいと思う。自虐的な歴史教育は正していくべきで、扶桑社の教科書は、日露戦争の部分でロマンを感じさせる記述があるなど、読んで楽しい」と述べた。伯井美徳・市教育長は「同感する部分はあるが、区ごとの答申を選んで欲しい」と応じた。ほかの4委員は同調せず、区の答申どおりの教科書が賛成多数で採択された。 今月中旬には県内44地区の教科書が出そろう見込みだ。 (8/13) |
教科書問題:扶桑社教科書は不採択 「単語や文末表現に難」−−鎌倉市教委 /神奈川
鎌倉市教育委員会(宮崎隆典委員長)は15日、来年度以降、市立中学で使用する教科書を決めた。市民約130人が傍聴を埋め、関心の高かった社会科(歴史的分野)では、扶桑社の教科書は採択されなかった。 委員5人は、校長や教師、保護者ら10人で作る「教科用図書採択検討委員会」が作成した報告書も参考に、教科ごとに意見感想を述べた。同社の教科書は、「民衆の動きの扱われ方が少なく、単語や文末表現に難がある」(検討委報告)と低評価。一方、委員からは「文化的流れがよい」など評価の声や「世界の流れも見て、多角的に判断しよう」との発言もあった。投票の結果、帝国書院が3票、扶桑社が2票と、1票差で決着し、過半数の3票以上を獲得した教科書が採択された。 隣接する逗子市教委(小島裕子委員長)も同日、傍聴人約30人の見守る中、挙手で採決。歴史教科書は4人の委員全員が東京書籍に手を挙げた。 葉山町教委(篠原知委員長)でも採択が決まり、5人の合議で日本書籍新社に決まった。【吉野正浩】 8月16日朝刊 (毎日新聞) - 8月16日16時32分更新 |
鎌倉市教委 扶桑社教科書を不採択
鎌倉市の教育委員会(宮崎隆典委員長、5人)は15日、来年度から市立中学9校で使う歴史と公民の教科書について「新しい歴史教科書をつくる会」が主導する扶桑社版をいずれも2対3の僅差(きん・さ)で不採択とした。同市では「鎌倉・九条の会」講演会の市の後援取り消しが政治問題化しており、同社版に対して賛成と反対の市民ら100人以上が傍聴に詰めかけた。 採択の手続きは、校長会、教員、保護者など各代表ら10人から成る採択検討委員会が教科ごとに比較して教委に報告する。報告書は教科書ごとに3段階に総合評価をし、上位から三つ星、二つ星、一つ星とする。 歴史については候補8社のうち帝国書院だけが三つ星で、扶桑社は一つ星だった。同社版については「歴史上の人物の記述が多いが、扱いにくい人物もある。民衆の動きが余り扱われていない。単語や文末表現に中学生では理解しにくいものがある」などの内容が記されていた。 しかし、これを受けた教委の各委員から扶桑社版につき「日本の文化や伝統が感じられる」「多面的、多角的に取り上げている」「中学生はこれくらいの文章は理解しなければ」「日本の神話はロマンがあっていい」などの意見があった。 この後、無記名投票で決定へ。5人全員が報告書とは逆に肯定的な考えを明確にしたため、扶桑社が5票を獲得するのでは、と会場は静まりかえった。結果は帝国書院が3票、扶桑社が2票で、同書院に決まった。 公民も8社のうち、報告書では東京書籍、大阪書籍がそれぞれ三つ星で、扶桑社は一つ星。しかし、同社版について歴史と同様に各委員から「責任や義務をバランス良く示している」「生徒に考えさせる内容」と肯定的な発言が相次いだ。 無記名投票の結果は、帝国書院(二つ星)が3票、扶桑社が2票だった。報告書で三つ星だった2社には1票も入らなかった。報告書について「現場の感覚は大切であり、判断の基礎に置かなければいけない」(宮崎委員長)との言及もあったが、実際の委員の発言は異なっていた。 鎌倉市では作家井上ひさしさんらが呼びかけて6月に「鎌倉・九条の会」が正式発足したが、市は記念講演会の後援をいったん決めながら取り消した。一方で「新しい歴史教科書をつくる会」と近い関係者の歴史セミナーを市が後援し、市議会で「行政の中立性、公平性を欠く」と取り上げられ、政治問題化していた。 (8/16) |
扶桑社版県内採択なし
三浦市教委は16日、来年度から市内の中学校で使う教科書を採択した。「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した歴史、公民の教科書(いずれも扶桑社)は採択されなかった。県内44の採択地区のうち三浦市が最後で、県内では扶桑社版は採択されなかった。 津久井、相模湖など4町による津久井地区と、湯河原など3町でつくる足柄下地区は、いずれも7月下旬に採択を終えたが、「混乱を防ぐため」などとして9月上旬まで結果を公表しない。だが、町教委などによると、2地区とも扶桑社版は採択しなかった。 (8/17) |
上島町教委、中学教科書を採択
上島町教委(冨田興一委員長、5人) は17日、上島町弓削下弓削の弓削中央公民館で定例会を開き、県内の教育委員会で初めて、来年度の町立4中学校の生徒約150人が使う、9教科の教科書を採択した。 委員会は冒頭、全会一致でこの日の定例会を非公開とすることを決めた。同町教委と採択地区協議会を構成する今治市教委が18日に採択を予定していることから、林正城・町教育長は「町の採択結果は今治市の採択が決まってから発表する」 と述べた。 今治市教委と採択結果が異なった場合は再度協議をする予定という。 |
扶桑社版教科書採択せず 今治市教委
今治市教委(5人、小田道人司委員長) は18日、市役所で臨時会を開き、来年度の市立中学校19校で使われる9教科の教科書を採択、発表した。 注目されていた歴史、公民の教科書については、「新しい歴史教科書をつくる会」 主導で編集した扶桑社版の歴史、公民教科書は採択されず、それぞれ東京書籍、大阪書籍版になった。 これに合わせて同市教委と採択地区協議会をつくる上島町教委が、17日に実施した採択結果とも一致したことも公表された。 県内の教委で、今年の教科書採択の結果を明らかにしたのは初めて。 委員会終了後に記者会見した倉永忠教育長は、「採択地区協議会で作られた資料や、学校の先生や保護者へのアンケートの結果を重視した結果」 と話した。 また、9教科16種目の教科書のうち、歴史と公民の教科書のみが多数決をとることになり、いずれも1人が扶桑社版を推したことを明らかにした。 この日、採択の様子を傍聴しようと、市民ら約10人が会場となった市役所会議室前に集まった。 しかし委員会は冒頭、非公開にすることを決めた。教委事務局から説明を受けた市民らからは 「重要な協議事項だから非公開とは本末転倒」 「市民軽視だ」 などと抗議の声が上がった。 (8/19) |
「つくる会」教科書、来春用採択は1%前後の見通し
2005年08月18日09時19分
来年春から中学校で使われる教科書の採択で、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆した扶桑社版の歴史、公民両教科書の採択率がそれぞれ1%前後になる見通しであることが朝日新聞社の調査でわかった。「つくる会」は「採択率10%」の目標を掲げていた。 朝日新聞は15日現在で市区町村教委や私立中などに採択結果を取材、今月発表された学校基本調査(速報値)の児童・生徒数などをもとに計算し、おおよその採択率をまとめた。 調査によると、全国で来年度使われる歴史、公民の教科書数はそれぞれ約120万冊で、このうち7割程度の約80万冊分は市区町村教委での「採択」または採択地区協議会での「選定」を終えていた。 採択結果を公表していたのは、全体の4割程度の約40万冊分。この中で扶桑社版の採択率は歴史が約0.9%、公民は約0.6%だった。 ただ、現時点では、全体の5割以上の冊数分について教育委員会が採択結果を公表していないか、採択を終えていない。これらの教委や、教科書会社などに取材した結果、採択率は最終的に1%前後となる見通しとわかった。各教委は8月末に教科書採択を終える。これを受けて文部科学省は今秋、教科書会社別の採択率を発表する予定。 17日現在で、扶桑社版の採択が明らかになっているのは、歴史・公民教科書の双方は、公立が栃木県大田原市と、東京都立のろう・養護学校など。東京都杉並区、東京都立の中高一貫校などは歴史のみを採択した。 扶桑社版は「他社の教科書は自虐的だ」と批判する「つくる会」のメンバーらが執筆し、「日本人としての自信と責任を持てる教科書を」と主張している。来春から使用される歴史、公民の教科書について検定合格したのはそれぞれ8社。 文科省によると、扶桑社版で05年度使用分の採択率は歴史0.108%、公民0.074%だった。 調査結果について扶桑社は「前回と比べて着実に採択部数は増えている。今後も増えることを願っており、最終的な結果を待ちたい」とコメントした。 |