2008年01月08日

2007年12月21日、PSE法改正されました!

こんな大事な話をすっかり見逃してました!!

2007年12月21日、改正電気用品安全法が施行され、PSEマークのない中古の電化製品も販売が可能となった。つまり中古品を販売するときに自主検査(耐電圧試験)を行うなど馬鹿らしい手間がなくなったのである。いったいあの騒動はなんだったのか・・・

■旧・電気用品取締法の表示がある電気用品の取扱いについて(PSE制度の見直し)
◆2007/12/21-17:55 中古家電の販売規制緩和=PSEマーク見直しが施行
◆中古家電、PSEマークなしで販売可能に (魚拓)
◆改正PSE法が施行 PSEマークなしでも中古品の販売が可能に
◆PSE問題で経産省がミス認め謝罪 「立法時、中古品想定せず」
◆PSEで失ったもの、戻らない」――国のミスに振り回された中古店 (1/2)
◆PSEで失ったもの、戻らない」――国のミスに振り回された中古店 (2/2)


このPSE法、つーか「電気用品安全法」による規制が中古品の販売時にも適用され、1000の電圧による耐電圧試験をパスしなければ販売できないことが報じられたのは06年の2月だが・・・てっきりカバーを開けて分解して行うものだと思っていたが、まさかこの写真のような簡単なテスト方法だとは思わなかった。(ニュース記事に添付されていた写真だが、どの記事だったか忘れたw)
taiatsu.jpg
小さい写真なので判別が難しいが、このテレビのアースになっている部分に、耐電圧試験機の一方の端子(アース側)を接続しているようである。そしてこの写真には写っていないが、もう一方の端子(1000Vの充電側)をテレビの電源プラグ(当然両方のブレード)に接続していると思われ。
こんなやり方ではまともな耐電圧試験にはならない。多くの電化製品の内部には直流電源装置があり、交流100Vを直流電源に変換しているが、これでは直流が流れる部分に試験電圧が印加されない。また、テレビや電子レンジなどの内部にはトランス(変圧器)があり、電源の100Vよりさらに危険な高電圧に昇圧している。洗濯機や乾燥機や冷蔵庫には当然の如く、人間が操作する電源スイッチとは別に内部に電源開閉装置がある(テレビもそうだね。主電源スイッチだけでなくリモコンでもスイッチ切れるから)。これらの二次側(負荷側、つまり内部側)にも試験電圧を印加できない。
結局この試験方法では、電源の100Vがそのまま使用されている部分だけの対地間耐電圧能力をテストできるだけなのであり、何の意味もない。それでも電化製品の半導体応用部品などには悪影響を及ぼす恐れがある。特に「ビンテージ品」と呼ばれる製品には、通常の10倍もの電圧の印加は大きなダメージになるかもしれない。

また、上で貼った記事を見て驚いたのだが、旧法(電気用品取締法)とPSE法(電気用品安全法)には、「安全基準に差がない」のだという。
つまり、
「甲種電気用品」と「乙種電気用品」の二種類に分類する「電気用品取締法」と、
「特定電気用品」と「特定電気用品以外の電気用品」と二種類に分類する「電気用品安全法」に、
内容的に違いがないのだという!
(「甲種」と「特定」、「乙種」と「特定以外」はよく見りゃ品目が同じみたいだよ)
要するに国の安全基準を満たし認可された電化製品を、中古品として販売する際に再び同じ基準で認可を受けよ、ということだったのだ!
経済産業省の本庄孝志・大臣官房審議官という人は昨年、
「旧法とPSE法の基準に差がないと気づいていれば、5年や7年、10年という中途半端な経過措置はおくべきではなかった。出荷段階で安全が確保されていればいいというのは、旧法とPSE法で変わらない。中古品の販売時に改めて検査しなくてはならないというのは、いま考えるとおかしい」
と述べたという。「いま考えると」じゃ遅せえよ。
またこの人は、
「1999年に法律を制定した当時は中古品マーケットがそれほど大きくなかったため、中古品を念頭に置かずに立法してしまった。これが失敗の出発点。もっと早くから問題に気づいて調査していればよかったのだが、2001年の施行から2006年の猶予期間切れまでの5年の間に、経産省の担当者もどんどん変わり、引き継ぎもできないまま2006年に大きな問題として浮上した。1999年の立法当時の判断ミスと、昨年はじめの判断ミス、2重のミスだった」
と、二度のミスがあったことを認めている。
要するにこの法律が作られたときに、「電気用品取締法」の認可をすでに受けた製品は適用外であることを認識していれば良かったのだ。最悪でも、(最初の)猶予期間切れ(2006年3月末)が近づいてきたときに、中古品は関係ないことに気付いていればよかったのだ。
これに気付かず騒ぎを起こしたために、上で貼った記事にあるように大打撃を受けた中古品販売店、解雇された従業員もも少なくない。役人なんかは謝ればすむだろうが、被害者となった人々が「失ったものは戻らない」のだ。
posted by 鷹嘴 at 13:51| Comment(0) | TrackBack(1) | 電気関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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<泰山鳴動してネズミは一匹も>中古電気用品にはPSEマークはいっさい要りません【経産省】
Excerpt: ブログ「不条理日記」を読んでいて、あっと驚いた。中古電気用品の販売をめぐる、あの大騒動はいったい何だったんだよ!元のとおり、自主検査はする必要がないし、PSEマークはもちろん要らない、だって! ..
Weblog: どこへ行く、日本。(福田は国民羊化計画と構造改革(=政財癒着推進→格差拡大)をやめられるのか)
Tracked: 2008-01-09 00:28