2008年02月23日

沖縄返還密約事件をスクープし弾圧をされた西山さんの請求を高裁が却下

(2/21朝日朝刊より引用)1972年の沖縄返還の際、アメリカ軍が使用していた土地の復元費用400万ドル(当時だと約10億円)は、沖縄返還協定によってアメリカ側が負担すると定められていたが、日米間の密約によって実際は日本政府が負担していた。これを外務省職員から情報を得て公表した毎日新聞記者(当時)の西山太吉さんは、「国家公務員法違反罪」で起訴され、有罪が確定した。

しかし2000年〜02年に、密約の存在を裏付けるアメリカの公文書が発見され、西山さんは国に謝罪と賠償を求めて提訴。その後、事件当時外務省アメリカ局長だった吉野文六さんも、河野洋平(当時外相)から「密約の存在を否定するよう要請された」ことを証言した。

しかし昨年3月、東京地裁は西山さんの訴えを棄却。(過去ログ魚拓
そして2月20日の控訴審でも退けられてしまった。西山さんは最高裁へ上告する方針だという。
◆高裁も「密約」判断せず 元毎日新聞記者の控訴を棄却 (魚拓)

判決は、一審と同じく「除斥期間」(民事上の請求権は20年で消滅)を適用して西山さんの請求を却下し、密約の存在には触れなかった。
西山さんは、密約の決定的な証拠は2002年まで発見されなかったので除斥期間は適用すべきではない、密約の存在に言及しない限り国の違法性を判断できないと主張した。
俺は法律の事は全く知らんが、ウィキペディアによると除斥期間とは「明文規定の存在しない制度」だという。

高裁が吉野文六さんへの尋問申請を却下したことについて西山さんは、「こんなことが堂々とまかり通る。日本は法治国家の基礎を喪失しているということです」と語る。嘆かわしいことに高裁は、政府による国民への背信行為を指摘したくないために、正しい法の裁きを下すことを放棄しているのである。
「国は、組織をあげて密約はなかったと偽証している。その密約の存否について、いまの裁判所が判断を示すなんてできやしないと思っていたが、案の定、その通りだった」

また判決は、刑事事件の確定判決に対して再審請求すべき事案だと指摘している。西山さんの支援者の中にも、西山さんの最高裁で確定した有罪判決に対して再審請求すべきだとする意見もあるという。
しかし西山さんは、「国家の組織犯罪が相手だ。並大抵ではない」と述べる。たしかに、政府と司法が一体となった組織的犯罪を追及するのは困難を極めるだろう。


参考: ◆1971年 沖縄返還協定 「米との密約あった」 (魚拓)
posted by 鷹嘴 at 11:07| Comment(0) | TrackBack(1) | 国内ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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