鹿児島県の離島で、豆腐の原料となる「にがり」を製造している零細企業がある。この業者が海水から製造する「にがり」は全国的に評判だが、事情により「にがり」を製造出来なくなる状況に追い込まれた。
食品衛生法の改正により、「にがり」を製造する業者は「食品衛生管理者」を置かなくてはならなくなったのである。この資格を得るための講習は鹿児島では行われず、東京まで出かけなくてはならないが、数十万の受講料を支払って数ヶ月も講習を受けなくてはならず、上京と滞在費だけでも100万円以上の出費となる。この個人経営の業者にはとても無理な話なので、「にがり」製造を断念するしかないという・・・。
いろいろググってみて、どんな話なのか調べてみた。
豆腐は、大豆を煮て搾った「豆乳」に「にがり」を加えて凝固させて作るが、この「にがり」が、「平成19年厚生労働省告示第73号」によって同年3月30日より、規格が設けられることになった。
「食安発第0330001号 厚生労働省医薬食品局食品安全部長 食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について」によると、この告示に指定されている「食品添加物」は、平成20年3月31日以降、「食品衛生法第48条に基づき、食品衛生管理者を置かなければならない」という。「にがり」も、「粗製海水塩化マグネシウム」としてこの中に含まれている。
「食品衛生管理者」という資格は、次の条件を満たしたものに与えられる。
@ 医師や薬剤師など
A 医学部や薬学部、農学部(関係の学科)などを卒業した者
B 特別な養成施設の課程を修了した者
C 所定の実務経験があり、講習を受けた者
現実的にCを選択することになるが、最近行われた講習は、2007年12月3日から08年2月2日まで、受講料35万円で行われた。その内容は毒物・劇物取締法、化学、細菌学、乳製品関係、食肉関係、添加物関係ではイオンやら分析方法やら純度試験など、凄まじいボリューム。番組(2月8日のTBS「ニュース23」の特集)で紹介されていた鹿児島郡十島村の離島の海水から「にがり」を採取している業者にはおよそ関係のない話ばかりである。
このような馬鹿馬鹿しい法の取り決めによって、費用と時間、人員に余裕がある業者以外は「にがり」製造を断念せざるを得ないのである。
一体厚生労働省は何を考えているのか・・・どこぞに利益誘導するつもりではないかと勘繰りたくもなるが、実際は何も考えずに法を適用しているだけではないだろうか。
何年も経ってからPSE法の中古品への適用と同様に、全く意味がなかったことに気付くのではないだろうか。役人は謝罪するか左遷されれば済むだろうが、日本の伝統的な食品文化に携わってきた人々が失ったものは取り返せない。
(関連)
◆にがり - Wikipedia
◆千葉市:新たに規格が設定された食品添加物を製造する営業者の方へ
◆食安発第0330001号 厚生労働省医薬食品局食品安全部長 食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について
◆ 食品衛生管理者資格認定講習会について
◆テレビブログ(関東版) 筑紫哲也NEWS23 2008年02月08日
●食品新聞 2007年12月3日
にがり問題で ``苦渋の選択`` 規約化で余儀なく販売停止 [厚労省に反感募る]
◆ひどすぎる「食品衛生法」改定!-苦情・クレーム 『Boooなび』 ブログ
◆にがり販売中止について 天然塩、天然にがりの製造販売★とっぺんフーズ★ご贈答全国発送
◆のりしおにっき 混乱中×××
◆のりしおにっき にがりの値上げ↑
◆こだわり豆腐が危ない 街の魚屋さんのHACCP-ウェブリブログ
◆I Love You! 片手落ちの 食の安全
◆2008年02月09日|ぶるぅさんのブログ
◆いしがめのじだんだ にがり
◆怪談・・・・受講料350,000円也の講習会 - 建築をめぐる話
3月2日2時0分配信 時事通信
【北京2日時事】中国湖北省の高速道路で2月24日、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」約5トンを積んだトラックが横転した。約半分が路上に流出し、毒ガスが発生、数キロ先まで刺激臭が広がった。同月26日付地元紙・武漢晩報が報じた。
メタミドホスは中国製ギョーザ中毒事件で原因となったが、同紙によれば、この流出による死傷者はいないという。高速道路は約7時間閉鎖された。
ミネラルの摂取でみんな健康になれたのに・・。昨年はインフル・・・のワクチンで数千億どぶに捨ててまで権益確保。これから医療費のために34兆円もかかることをなぜが不思議です。・・・厚労省・・は?
ミネラルの摂取でみんな健康になれたのに・・。昨年はインフル・・・のワクチンで数千億どぶに捨ててまで権益確保。これから医療費のために34兆円もかかることをなぜが不思議です。・・・厚労省・・は?