2008年05月13日

三郷市生活保護裁判第3回口頭弁論(4月23日)

4月23日さいたま市地方裁判所にて、三郷市生活保護裁判の第3回口頭弁論が行われた(またしても傍聴できなかったが報告集会に参加した)。遅くなってしまったが大雑把に記す。

※ この裁判の詳しい情報については「あめ男旬報」を参照のこと。

2004年末、埼玉県三郷市に住むある家庭の夫が白血病で倒れた。妻は介護に追われ体調を崩し、唯一の働き手である長男のバイト収入は月10万程度であり、次女の学費が出せなくなり家賃も滞納した。
このため妻は05年2月、生活保護を受けるため三郷市の福祉事務所を訪れたが、何度も門前払いされた。06年6月に弁護士が福祉事務所に同行すると途端に保護が開始されたが、住宅費は支給されなかった。
さらに保護の開始直後から転居を強要され、しかたなく葛飾区へ転居すると、同時に保護を打ち切られた。生活保護家庭が転居するときは「移管手続き」を行わなくてはならないが、三郷市はこれを怠ったのである(しかし葛飾区に保護の申請をすると、住宅費も含めた生活保護が直ちに開始された)。
北九州市など全国で、生活保護の申請を拒否したり辞退を強要する悪質なケースが横行しているが、埼玉県でもこのような行為が行われていたのである。
07年7月、家族は三郷市の不当な仕打ちに対し、損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁に提訴した。


1月23日の第2回口頭弁論は、吹雪の中チャリで出かけてみたが着いたのは開廷の10分前、とっくに傍聴の抽選は終わっていた!!4月23日は30分以上前に着いて抽選の行列にならんだのだが、41人分の傍聴席に対し80人以上集まり、見事にハズレた(@∀@)
しかし前回・今回とも埼玉県弁護士会館で行われた報告集会に参加したので、この事件の概要をおおよそ理解できた。

生活保護の申請を却下するどころか申請すらさせない、申請用紙すら渡さないことは「水際作戦」、保護開始に至った場合でも嫌がらせを続けて保護を辞退させることは「硫黄島作戦」と呼ばれているが、三郷市はこの二つの手段をフルに活用していたと言えるだろう。また被告の立場になってからも三郷市の態度は全くふざけたものである。その馬鹿げた主張を列記してみる。

「(妻が福祉事務所を訪れたとき)○子さんは生活保護について聞きたい、と言ったから説明した」
「面接で、(生活保護の)申請の意思が不明確だった」

→ 妻は生活保護を受けるために福祉課を何度も訪れていたのに、市は1年以上に渡って拒絶していたのである。弁護士の手助けがなければ保護が行われることがなかった。
そもそも生活保護の話で福祉事務所を訪れる人は、生活保護を受けたくて訪れるのである。会社の面接に来る人間はその会社に入りたくて訪れるのと同じである。少しは常識をわきまえろ!

「転居した方がいい、などという助言はしていない」
→ 市が転居を強要したのも事実であり、夫が通院していた病院にその記録が残っている。そもそもなぜ住宅費を支給しなかったのか?

「保護を始めたのは06年6月だが、それまでは要保護状態にではなかった」
→ 一家の大黒柱が白血病で倒れ、医療費が必要である。賃貸住宅に住んでいるので家賃の支払いも必要である。妻は介護に追われ、長男の収入も少ない。どこが「要保護状態」ではないのか?

「夫が職場を解雇されたのか休職なのか不明」
→ 自己の意思による「休職」ならば、保護の対象にならないと言いたいのだろうか?白血病で入院している患者が、職場を解雇されたのが休職しているのかの事情を問うことに意味があるのか?

「高い家賃を払い、車のローンを払っている家庭を保護することは適切だろうか?」
→ 引越しするにしてもまた敷金礼金など支払わなくてはならない。車を処分するにしてもローンを相殺できるとは限らない。

なお被告側の、
「『市が転居を迫った』という病院の記録だが、こちらで調べたところそのような記録はなかった」
「葛飾区に転居した後は長男の収入が増えるなど状況が変わり、自立の意思もあったので打ち切りは正当」

という主張について、原告側は「求釈明」をしている。病院の記録をどのように調べたのか、どういう基準によってこの家族が自立できると判断したのか説明を求めているのである。もしも本人から自立したいという意思表明があったにしても、本当に自立できるかどうか福祉事務所が判断しなければならないのである。

・・・報告集会にて参加者の一人から、原告代理人の吉廣慶子弁護士の声が小さいとのクレームがあったが、「先日、原告の家庭の夫が亡くなったので、今日は元気が出なかった」という。これはこの日の参加者にとって初耳だった。前回の報告集会では妻と長男も出席したが、妻は夫の死にショックを受けてこの日はとても出席する気になれなかったという。
葛飾区に転居後、一家の生活は安定し、長男も無事就職した。原告家庭がこの裁判を取り下げることも考えられるが、行政として為すべきことを放棄し弱者を排除しようとする三郷市のような自治体は徹底的に糾弾しなくてはならない。

第4回口頭弁論は6月25日午前10時より行われる(俺は行けるかどうか分からんが)。原告弁護団は今回の101号法廷より傍聴席の多い105法廷を希望している。次回も傍聴席の抽選が行われると思うのでなるべく早く集まった方がいいだろう。
posted by 鷹嘴 at 00:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 集会、デモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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